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綺羅と嘘とその先  作者: 蛍灯 もゆる
綺羅の承
38/102

それは、かくされたじょうほう


「春真、ちょっといい?」


個人レッスンを終えて部屋を出ると、待ち構えていたように桃澤が腕を取る。


「何処か行くの?」

「もう、授業ないでしょ?」

「バイトがあるから、あんまり時間はないよ」


やんわりと言葉を紡ぐと途端に桃澤が唇を尖らせた。


「バイト先、結局教えてくれないの?」

「うん。秘密」

「狡いわ。黄波戸は行ったんでしょ?」


きょとんとすると、桃澤はバツが悪そうに視線を逸らす。


「ぐ、偶然聞いちゃったのよ。別にあいつが密告したわけじゃないわよ」

「桃澤は、どうして来たいの?」

「え? だって、春真が働いてる姿とか興味あるもの」

「じゃあ、やっぱり秘密」

「えぇ? どうしてよ?」


ぷくと頬を膨らめた桃澤の頭をぽんと叩いて、春真はその腕の中から自分の手を引き抜いた。


「用件は、紺谷の劇の話?」

「違うわ。遊びの誘いよ」


この間、言ったでしょ? 微かに首を傾げた桃澤に、春真は先日の教室での会話を思い出す。


「知り合いにチケット貰ったの。春真、好きでしょ?」


差し出されたコンサートのチケットに、春真は微かに瞬いた。

日付は来月の初め。

それは、サクソフォンとのライブの翌日の夕方だった。


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