表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
綺羅と嘘とその先  作者: 蛍灯 もゆる
綺羅の承
37/102

それは、こううんをえてこそ

誰もいないことが、不幸だと思ったことはなかった。

誰かがいることが、幸福だと思ったことはなかった。


たーん


鍵盤に触れれば響く聲。

それは、いつだって求めるままに周りを満たしてくれた。

沢山の音の洪水が、空間を埋めるように溢れて満ちる。


たーん


触れることもなく届く聲を知らない。

そんなものがあることも、考えなかった。

そんなものが必要だとも、思わなかった。


たーん


息をするように、聲を響かせて、瞬きをするように、音に身を任せる。

多くの喝采にも、言祝ぎにも、淡泊に見えるからだろう。


『君は、どんな幸運に出会ったら心から喜び、どんな不運に出会ったら心から憂えるんでしょうね』


あの日、告げられた言葉が不意に蘇って、目が覚めた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ