表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

25/25

第25話:処刑当日の朝。会場のセキュリティ(祭壇の飾り)をハッキングしたら、国宝を起動してしまいました

 ついに、運命の当日。


 私は純白のドレス(という名の、【耐火・耐衝撃・耐魔法完全防護服】)に身を包んでいた。


(……ふふふ。このドレス、実はスカートの中に『緊急脱出用パラシュート』が仕込んであるなんて、誰も気づかないわ。首元には鉄壁のチョーカー、靴のヒールには小型爆弾。どこからでもかかってきなさい……!)


 会場である大聖堂へ向かう馬車の中で、カイン閣下は私の「重装備ドレス」を見て、感極まったように声を震わせた。


「エルナ……。今日の君は、まるで……戦場に向かう女神のように神々しい。……その重厚な装い、俺との誓いを守り抜くという、君の並々ならぬ決意が伝わってくるよ」


(カインの脳内:……なんと重いドレスだ! 歩くのもやっとのはずなのに。……ああ、彼女は『自分自身の重み(愛の重さ)』で、俺から逃げないように自らを縛っているんだな……!)


「閣下……。……ええ、もう後には引けません。今日、この会場で起こることは、すべて私が責任ログを取りますわ」


 大聖堂に到着した私は、まず「神への祈り」を捧げるふりをして、祭壇の背後にある『古代魔導端末(聖なるオーブ)』に手を触れた。


(……よし、ここのコントロール・システム(聖域の結界)をハッキングして、私がギロチンにかけられた瞬間に『目くらましの煙幕(聖なる光)』を噴射するようにプログラムを書き換えるわ!)


 しかし、私の「エンジニアの指先」が、あまりにも神速で、かつ正確にシステムを叩きすぎた。


『――認証完了。……第一種・国家防衛システム【神のいかづち】、待機モードへ移行します』


(……え? 今、何か物騒なシステムログが聞こえたような……?)


 私が首を傾げていると、聖堂全体が黄金色の光に包まれ、屋根からは「浄化のレーザー(魔力)」が空に向かって放出された。


「おおおお……! 見ろ! 聖なる光が、エルナ様の登場を祝福している!」


「百年間沈黙していた国宝のオーブが、エルナ様の祈りに応えたぞ! これは奇跡だ、正真正銘、彼女は聖女だ!」


 参列した貴族たちが総立ちで拍手喝采を送る。


 カイン閣下もまた、誇らしげに私の肩を抱いた。


「エルナ……。君の愛の出力は、ついに国宝の起動制限リミッターさえも突破してしまったのか。……君を処刑(独り占め)しようなんて、俺はなんて欲張りな男なんだ」


(……違う! 私はただ、『煙幕スモーク』を焚こうとしただけなのに! なんで『広域殲滅兵器レーザー』がアクティブになってるのよ!?)


 私の「脱出準備」は、すべて「神の奇跡」へと変換され、処刑場(結婚式場)のボルテージは、もはや制御不能オーバーフローな状態へと突入した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ