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第12話:セキュリティチェック(好意の可視化)の結果、国中の力関係が逆転しました

 私が作成した『マジック・スキャナー』の結果は、翌朝の王宮を震撼させた。


 特に、アポロン王子の数値が【0】だったという報告は、国王陛下の逆鱗に触れたらしい。


「アポロン……。貴様、あれほどの至宝エルナを隣に置きながら、防衛へのやる気(愛)がゼロだったとは。王家の危機管理能力を疑われるわ!」


 陛下からの叱責により、王子はついに「再教育(という名の謹慎)」として辺境の修道院へ送られることが決まった。……私の防犯システム、不審者の排除だけでなく、【組織の不要な人材の整理】までしてくれるなんて、なんて優秀なのかしら!


 一方、公爵邸では――。


「エルナ。例の機械だが……俺の数値が異常だったのは、やはり君を守りたいという『防衛本能(愛)』が強すぎるからだという結論に達した」


 カイン閣下が、私の手を握りながら真剣な顔で言った。


 彼の数値は、あれから何度測ってもスキャナーが爆発する寸前で止まっている。


「素晴らしいですわ、閣下! 閣下のその『熱量ハイ・セキュリティ』があれば、私たちは一生安泰です!」


「ああ。……だから、もうすぐ始まるパーティーでは、俺から一秒も離れないでくれ。俺の熱量(愛)が、君の周囲に鉄壁のバリアを張ることになるからな」


(なるほど! 閣下の強力な魔力フィールドで物理的に守ってくれるのね! 最強のSPだわ!)


 私は閣下の言葉を「最高の警備体制」として受け取り、満面の笑みで頷いた。


 そして当日。


 ついに婚約披露パーティーの幕が上がる。


 私が用意した「最後の防犯トラップ」……それは、パーティー会場の入り口に設置した『金属・毒物・悪意検知ゲート』。


 招待客たちが恐る恐るゲートをくぐる中、ついに私とカイン閣下の入場の番が来た。


「さあ、閣下。私たちのシステムの安全性、証明しましょう!」


 私が胸を張ってゲートをくぐろうとした、その時。


 「ビーーーーーーー!!!!!」と、今まで聞いたこともないような最大級の警告音が鳴り響いた。


「な、なんですって!? 不審者!? 私か、それとも閣下の中に何かが――」


 パニックになる私を、カイン閣下がガシッと抱き寄せる。


 ゲートの表示板には、真っ赤な文字でこう刻まれていた。


【警告:過剰な防衛本能を検知。】


(えっ!? カイン閣下が『強力な火器(熱源)』として感知された!? )


「……ふ。機械まで俺の気持ちに同調するとは。エルナ、ゲートが言う通り、今日はこうして……片時も離れずにいよう」


 閣下は私の腰を引き寄せ、全招待客の前で、私を自分の胸の中に完全に収めてしまった。


 周囲からは「きゃあああ!」「なんて熱いお二人なの!」と、悲鳴に近い歓声が上がる。


 私は(閣下の防衛オーラが強すぎて、ゲートが誤作動したのね……さすがは死神騎士!)と、誇らしげに胸を張るのだった。

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