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8.魔物の登場は突然に(初)

「は、はい、

この2週間ほど・・・そのため信者たちにはなるべく集団で移動を行うことと不要な外出は控えるように伝えておりました。」


「では水盤の力も衰えていたと考えられますね。」

とクリスが言った。


「司教様に質問がございます。この水盤の水は常に流れていますが、井戸の水でしょうか?」

 楓は司教二人に向かって尋ねた。


「はい、台座の中心から井戸水が湧いて水盤からあふれ出た水が再び地下に戻る仕組みになっているようです。くみ上げる力は聖女様のお力だと言われています。」


「地下水・・・地下でつながっている…ちょっと帰ってから考えよう。第3神殿はここから近いの?」

 楓はクリスに質問した。


「ここから2時間ほどで、パルミア城まで1時間30分ほどです。

 聖女様もう今日は帰りましょう。第3神殿にこれから向かいますとパルミア城へは日が暮れる頃に

 戻ることになります。暗い道はただでさえ危険です。

 魔物もいるので安全のため今日はここだけに致しましょう。

 パルミア地方のパルミア・セディナ・パルート、グリースデンの4地方、あと7カ所ですよ。

 パルミアの3カ所の地域にも向かわなければなりません。

 魔物の討伐スケジュールも確認しなければなりません、

 ですから聖女様一旦帰りましょう。」

 

 クリスの助言の通り、聖女一行は一旦パルミア城に帰城することにした。

 雨の神殿の回廊は非常に趣がある。作業も早く疲れなく終わったので、楓はゆったりと景色を楽しむことにした。

 

 麦の収穫が始まっている。しとしとと雨が降っているので、今日は雨だから作業をしていないようだ。

 どこまでも続く田園風景を楽しんでいると一番遠くの林の中から黒い影が段々大きくなってこちらに向かってくる。


「クリス様、あちらから何か向かってくるのですが・・・」

 楓は窓を開けて馬上のクリスに言った。


「あれは魔猪ですね、2匹います。護衛と一緒に退治しますね。」


魔猪は、田畑をなぎ倒し人を襲う魔獣だ。結界が堅固であればこのように侵入はしてこないが、侵入し、人間を見かけると一直線に襲い掛かってくる。

クリスは護衛と共に馬の手綱を引いて魔獣へ向かっていった。

護衛には弓使いがいたようで、まず弓で射ると魔猪が足止めされたたらを踏んでいるところを刀でなぎ倒した。動脈を傷つけたのかものすごい血しぶきだ。

2匹をあっという間に総勢4名で倒すとクリスは「汚れてしまいました。」と笑顔で楓の元に戻ってきた。


「イノシシですよね?」


「魔猪と言います。魔物ですが、一直線に走ってくるので倒しやすいのです。」

「あっという間でしたね。」

「私の刀には聖力が込められています。100年前の聖女様に聖力を込めてもらったという家宝です。魔物に使うたびに聖力は減っていくそうですが、今のところ不自由はしていません」

「聖力ってよくわからないわ。」

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