34. 転移陣の使い方
楓は、早速、王城の転移陣と聖女館で練習を行うことにして王宮地下の転移陣へ向かった。
魔力がある人間が一文読み上げれば移動ができるらしい。
「一度移動したことがある場所に、その場所をイメージして移動する転移魔法があるのですがかなり魔力を消費します。国内の転移陣であれば各転移陣のシリアル番号と、移動人数、コマンドを唱えれば必要な魔力がある人間が操作すればできます。
こちらのレバーを下げてください。それから2分以内に移動のコマンドを唱えれば移動が可能です。
できない場合はここに残されるだけです。
聖女様、往復の場合は、王城のシリアル番号、移動人数、コマンドの順番で再度お願いします。」
「3404、1、・・・・」
いわれた通りにコマンドを唱えると楓は、一瞬で移動した。
「聖女様は一度で転移成功とは、才能に恵まれていますね・・・」
エレナは手放しでほめたが、
「今代の聖女様は規格外だと思います。」
クリスも重ねてほめた。
しばらくして転移陣が再び光を放ち、楓が戻ってきた。
「聖女様、転移酔いはありますか?」
「いいえ、今のところ。これで各地域の第一神殿を回ることが容易にできそうです。
第1神殿に転移陣があれば直接いけるのですが・・」
楓は、各地域に何度も赴くのに、歓迎会ばかりされては申し訳ない気持ちとパーティーに若干の苦手意識があった。
「いずれの地域でも第1神殿であれば転移陣があります。
今までは聖女様が転移酔いされていらっしゃるのをみて、馬車優先で移動していましたが、これからは転移陣で行けるところは転移陣を有効活用して移動しましょう。但し、聖女様、近くの転移だったので今回はそれほど魔力を消費しませんでしたが、距離が遠いとそれなりに転移に魔力を消費します。
それについては、ご理解いただきながら、転移陣をご利用ください。」
クリスが楓に追加の説明と使用上の注意を伝えた。
「わかりました。エレナさん、教えてくれてありがとうございます。」
自分でできることが増えれば、結界の張り直しが終わっても、元の世界に戻れなくても生きていける、内心そんなことを考えて、にこやかに微笑みながら楓はエレナにお礼を言った。
エレナと別れ、アレックスの執務室で再び打ち合わせを行うと、エルパージャ地方、モルドス地方、アルダシア地方の順番で第一神殿を回ることになった。アレックスに、魔物の情報が集まっているが各地まだ深刻な状況にはなっていないそうだ。
地形的な部分と、魔物の発見場所などを勘案した結果、この順序で行こうということになった。




