29. 聖女の休日
領主館に戻ると、クリスとヒューイはハリスや他のメンバーと打ち合わせや連絡が残っているということで、2人はハリスの執務室に向かった。
楓は「お休みください」と言われたので、言葉に甘えて温泉三昧を楽しむことにした。温泉に入って上がって入って上がってを3回ほど繰り返すと体の疲れが芯から取れてぐっすり休める。
侍女は「今日はボディのマッサージをベッドで行いましょうか」と今日も施術する気満々で申し出てくれたので言葉に甘えて全身マッサージをお願いした。
「聖女様、馬車の乗りすぎですか、背中がずいぶんと張っています。肩こりもしっかりもみほぐしておきますね~」
もうずっとグリースデンに居たいわー、と楓は思いながらうたた寝を始めた。
翌日。
「聖女様、今日はお休みしましょう。
第3神殿までは馬車で往復4時間です。
昨日ハリス殿と打ち合わせした結果をお伝えしたかと思いますが、第3神殿の周辺の魔物情報が多いそうです。
本日一杯、先遣隊に倒せる魔物を倒してもらってから神殿に向かいたいと思います。
魔物が途中で襲ってくる可能性を考えると1日聖女様にお休みいただいてからの方が良いとの結論になりました。
本日は、図書館に地図も用意しています。温泉でお体をお安めください。」
ドクターストップならぬクリスストップが入ったので、楓はありがたく休みを過ごすことにした。
クリス達は昨日の打ち合わせで、いかに楓が休みを取らずに動いているかを言い、パルミア地方も第3神殿を最後に結界の修復作業が終わる。
1日休みを取ってもほぼ結界の修復作業は終わっているのだから問題はなく、むしろ、今後は結界が弱まっている他の地域への侵入が多くなり、これからの方が楓は忙しくなるだろうとクリスは熱弁をふるった。
確かにこちらの世界にきてから休息らしい休息をとっていない楓が休みを取るにはパルミアのなかでもグリースデンが最適だ。
温泉とおいしい料理、歴代の聖女もグリースデンには長めに滞在したに違いない。




