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23.聖女の力ってなんなんでしょうね

 パルート領主館に戻って軽食を取った楓は、図書館のテーブルの地図を挟んで、クリスとヒューイと子爵と4人で打合せをした。


 子爵には、グリースデンに向かう街道は往復で魔物と遭遇した旨を伝え、討伐隊の後発が来るまで、今いる半数の討伐隊をパルート領に残すことも伝えた。


「ここからグリースデンの領主館まではどれくらいかかりますか?」

 楓はパルミア地方全図を眺めながら質問した。ヒューイが答える。

「直接向かうとなると3時間ですが、第1神殿が通り道にありますので。そこに寄られてからが効率的かと思います。」

 手で指差しながらなのでわかりやすい。


「魔物に遭うことが増えてきたので3時間では済まないかもしれませんね。」

 

 クリスも自分の見立てを述べた。

「明日はグリースデン第1神殿によって力を注いでからになります。おそらく私は力をぎりぎりまで使うので、もし魔物と遭遇してもお役に立てないかもしれません。

  

 楓はそう言って地図を見つめた。

 

 神殿からグリースデン領主館までは30分ほどの様だ。

「聖女様、今日の新しい戦い方は一体・・。」

 ヒューイは何と言っていいのかわからないというように言った。


「クリス様に質問したのです。私も、魔物との闘いで何か協力できることはないかと。今までの聖女様は、水盤に聖力を注ぐことがメインのお仕事だったそうですが、なぜか第2神殿、第3神殿になると力をそれほど注がずに済みますので、他に協力できることはないかと、試してみた次第です。魔物が蒸発したようにどこかに行ってしまいましたのには驚きました。」


「こちらの方こそ驚きました。」

 ヒューイは続ける。

「グリースデンは結界が張られていても、何らかの原因で年に2・3度魔物が領地に入ってきます。原因は不明ですが・・・聖女様は聖力で攻撃可能かを検証されていたんですか?」


「そうです。クリス様の剣は聖力が込められいると伺いました。攻撃の際に聖力が込められている剣の方が魔物にダメージを与えられると聞いて、直接聖力で攻撃したらどうなるかを実験してみたのです。実験の結果は、あの通りでしたが、魔物一匹ずつではなく複数攻撃できないかなども反省点ですね。」

 なんてことないように楓は答えた。

 

 クリスもヒューイも、直接聖力で魔物を攻撃するというアイデアが斬新すぎて、なんと答えてよいのかわからなかった。


「聖女様の攻撃の前には、我々は出番がないですね。」

「魔物の強さ図鑑なんてないですよね?」

「ないです!」


「魔猪ってどれくらい強いのですか?」

「クリス殿も私も、一対一でしたら仕留められますが、魔猪は集団で移動することが多いので、魔猪が5頭なら5人で戦います。」


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