表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/38

20. パルート家のご先祖の日記は日誌のようでした

悩んだもののクリスは、これからグリースデンで魔物に出会う確率を考えると、第2神殿からグリースデンにそのまま向かうよりも、護衛を整えるために一旦パルート領主館にもどることが良い選択と判断し、楓にその旨を提案した。


楓は少し微妙な顔をしてクリスの提案を受け入れた。


楓は、馬車に乗る距離を最短にしたい、でも、安全体制を整える必要性も理解できるという気持ちが入り乱れていた。パルート館に戻れば図書館の蔵書もまだまだ調べることができる。そう考えると、パルート領主館に戻ることも意味あるものに思えてきた。


 パルート第1神殿での作業は楓が予想した通りスムーズに進んで、手をかざして2・3秒で光が収まった。どこの神殿も水盤はなだらかな逆さ円錐形をしている。中心から水がこぽりと湧き出でて円錐の淵から流れ落ちている。美しい1枚の絵の様だ。

 

 司教に辞去の挨拶をして再び移動・・・往復・挨拶等で2時間、作業30秒、悲しい。

パルート領主館に戻ると、図書館で聖女に関連する書籍とまずは直近の聖女がパルート滞在のときに何をしていたか日記を調べることにした。

 

 パルート子爵は、見つかるかどうかわからないと言っていたが、筆まめな領主は年月をしっかりと記載していて、大きな出来事があったときは、タイトルを残していた。おそらく昔の日本のように日記は誰かに見られる前提で業務日誌のように記載していたのだろう。


 百年前のパルート子爵は現在の子爵の高祖父にあたる。

 

 聖女は1週間滞在したようだ。百年前の子爵の日記を流し読みした。


・・・聖女様が結界の補強のために我が領に来て下さった。アンダシア地方、パルミア地方の順番で来られたようだ。

 聖女様は討伐隊と共にお越し下さったが皆様中がよさそうで、32名が一団で来られた。

いらっしゃった方々は以下の通りである・・・・晩さん会をお越しいただいた初日に行い、皆様と親睦を深めた・・・・聖女様はどうやら神官のジーク殿と懇意にされているようだ・・・・神殿で祈りと共に手をかざしていただくと聖女様は2日間お休みになった。浄化作業は聖女様のお体に負担をかけるらしいので、グリースデンの温泉で体を休めていただきたいものだ・・・・・(中略)


 祈りの言葉って何だろう、クリスから何も聞いていない。そして、聖女、一つの神殿2・3日かかっていたかもってこと?


「クリス様、ちょっとよろしいですか?」


 図書館で別の資料を読み込んでいたクリスに話しかけた。


「はい」


「百年前の聖女様は神殿の水盤に力をそそぐ前に、祈りの言葉を述べられていらっしゃったようですが、これまで私は手をかざすしかしてこなかったんです。結界は大丈夫でしょうか?」


「百年前の聖女様は、聖女の力を使えるようになるまで少々時間がかかりました。

中央神殿でしばらく力を使えるまで練習をされたようで、その際に祈りの言葉を述べたあと、手をかざせば水盤に力をそそぐことができるようになったそうです。

聖女様によってそれぞれですが、水盤が聖なる力で満たされればよいのです。楓様は聖女様のなかでもお力が強く発現しています。おそらくその日誌でも1カ所につき聖女様は2日ほど休養を必要としたと記載があったかと思いますが・・・」

「そうです。

 私は手をかざしているだけなので、もしかしたら今まで何か間違えて聖力をそそいでいたのか心配になりました。」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ