19.魔術と魔力について
第1神殿には30分くらいかかるが、今日もクリスが同乗してくれた。
一人で車外の風景を見ているより時間が経つのが速いので、感謝しかない。
そのため、クリスに代わり今日はヒューイが護衛の統率をしていた。
楓は馬車に乗ってからも魔術師のことをクリスに質問した。
「魔術師の魔力と聖女の聖力は何が違うんでしょう?
また結界外で生きている魔物達は結界内の動物とどんな違いがあるんでしょうか?」
楓は魔術も魔力もまだちゃんと(?)見たことがないので、実感としてない。
「聖女様、良い質問ですね。
魔物の中には魔族と言ってヒト型にちかい魔物が魔力を使うことがあります。
我々は人間が使う魔力を白魔力、魔族が使う魔力を黒魔力と分類しています。
聖女様の持つ聖力については広くは白魔力に分類される中の浄化機能ではないかと考えられています。
これも確かではないのですが。」
「色々な説があるのですね。」
「そうです。百年周期で結界にほころびが出始めるので、ほころびを直して、各地を再建することを優先するうちに魔術や、結界の研究は脇に置かれてしまいます。聖女様に興味を持っていただけてうれしいです。」
「明日のグリースデン行きには、魔術師の方も同行するのでしょうか」
楓はクリスに質問した。
「はい、明日の出発までには合流する予定です。
パルミアがの魔物の討伐は8割方終わりとヒューイ殿が申しておりました。・・・これも日数を掛けないと、本当に殲滅したと我々は確信が持てませんが、あとはパルミア領軍だけで何とか処理できるくらいまでになっております。セディナ、パルートの別隊は魔物の探索と討伐を行っています。パルミア隊がこちらに移動してきます。
魔術師は転移術を使ってくるので一足先に到着するでしょう。」
転移陣は、魔力のない人間を移動させるのに使うもので、転移術は、転移可能な魔術師が使うものだという。わかりにくいが魔術師はどこでも〇ア能力を持っているということだろう。
「魔術師は何人かと共に転移することは可能ですか?」
「魔力が豊富過ぎる方でしたら可能でしょう。しかし、一緒に転移する人間によっては魔力酔いを起こす可能性があります。ですので基本的にはおひとりで転移していらっしゃいます。」
「わかりました。
今日もおそらく力を持ってかれると思いますが、パルート領主館の蔵書を拝見できたらと思います。
宜しくお願いします。」
やはり聖女様の体力を考えるとパルート第2神殿からグリースデンに直接ではなくパルート領主館でもう少し調査を重ねた
方が良いのかもしれない、とクリスは思案していた。




