15. 毎日馬車に乗ると色々辛いのです
読んでいただきありがとうございます。しばらく色気のない話が続きそうです・・・
翌日セディナ第1神殿の水盤に力をそそぐと、楓は、失神寸前まで力を吸い上げられた。
こうなると領主館に戻ってからは、ベッドとお友達をしていた方が、次の日に影響しない。
なんとなく仮定でこの水盤の働きはわかってきたが、クリスに伝える確信があるほどではなかった。
そういえば昨日クリスは王宮に執務室が王宮にあると言っていたが、クリスの役職や出身を聞いたことなかったな、と楓は今になって気づいた。いつかタイミングが合えば聞いてみよう。と楓は思った。
珍しくクリスが楓と馬車に同乗した。
一人で馬車に揺られるよりは時間がまぎれるし断然楽しい。
二人で今後の予定を相談し合った。
「セディナ第2神殿からパルート、グリースデンの神殿はどの順番で行くのでしょうか?」
楓はクリスに聞いた。
セディナ第2神殿からはパルート子爵領の方が近いということで、明日ルパートに入る予定であることを子爵家には伝えています。とクリスは答えた。
「でどれくらい距離があるんでしょうか。
領主館から第2神殿までは2時間、パルート子爵領までは第2神殿から1時間と少しです。」
戻ってくるよりそのままパルート子爵領に入る方が近いらしい。
楓も、失神する神殿と手をかざして何にもない神殿の区別がつけばサクサクと進めると思う。
けれども人には言えないが、楓は馬車の乗り心地に大変不満を抱えているのだ。
できるなら馬車にしばらく乗りたくない。
と思いながらここのところ毎日1時間以上乗っている。
「クリス様、折り入って相談がございます。」
「どうかなさいましたか?」
「できるだけ早く結界を張り直したいのですが、
実は馬車で乗り物酔いと言いますか・・・往復4時間ともなる日はなかなかつらいものがありまして。
これからも方々回りますのに、弱音を吐いている自覚はあるのですがなんとかいい解決方法はないでしょうか。」
お尻が痛いとは言えなかった・・・
「気が付かず申し訳ございません。聖女様、先を急ぐ我々の気持ちを慮っていただいて恐縮です。」
「とんでもございません。こちらこそわがまま申し上げて・・・乗馬ができるようになればもう少し楽なのでしょうか・・・」
「馬での移動も疲れますが、乗馬はできたほうが良いと思います。
馬車が使えない場所に向かうときは馬で移動していただく可能性があります。」
そうだよね、トレーニングマシーン〇ョーバも乗馬をヒントに作られたんだし疲れるに決まってる。
馬車の快適生活のために、クリスはクッションを増やすことを提案した。
「クリス様ありがとうございます。車輪は木製ですが、その他の素材を使うことはないのでしょうか?」
「車輪に木製以外で使えるものがあるのでしょうか?」
質問しかえされてしまった。
ゴムの木がない可能性大きいわ。
「聖女様、お疲れのご様子ですので、両主館に戻り次第お食事をお部屋に持ってくるよう依頼しますので、早めにおやすみになってください。」
楓の口調が段々間延びしていて疲労困憊なのに気づいたのだろう、クリスは労わるようにそう言った。
「お気遣いありがとうございます。
クリス様は、王宮ではどんなお仕事をされているんですか。私がクリス様と初めて会ったときは、巡回騎士でいらっしゃったから、王宮に執務室があるって伺って偉い方なのかと。。」
「巡回騎士は志願してまわっていました。
アーレス家は百年前の聖女様をお迎えした一族なんです。王宮では、宰相補佐室付王立軍騎士です。
簡単に申し上げますと、軍部と政治の折衝係です。」
「簡単には理解できそぅもないですが、なんとなくわかりました。
色々スムーズに運ぶのは、やっぱりクリス様のおかげなんですね。ありがとうございます。」
話していたら領主館に到着した。
クリスは近くにいた侍女に声をかけると、侍女はこくこく話にうなづいて屋敷の奥に向かっていった。
「聖女様お部屋でお休みくださいませ。
ご用がありましたらお呼びください。」
とクリスが言った。




