第17章:みんなが恐れる者
Alcad の力は進化し続けていた。
インペリアの戦士たちは次々と倒れ、地に伏していく。
そして――現れる。
最強と恐れられる二人の Alcads が。
その存在感だけで空気が震え、
放たれる力は圧倒的。
彼らは敵に見せつける。
絶望そのものを。
力の差とは何かを。
森の中をStalixは必死に走り続けていた。
だが、突然その足が止まる。
目の前に現れたのは――一つの影。
Alcadの中でも最も強大で、最も冷酷な存在。女王だった。
彼女は跪くStalixを見下ろす。
全身は引き裂かれ、絶望に染まった瞳。
口元から血が一筋、滴り落ちていた。
女王(軽蔑を込めて) : なんという臭気……これが敗北の匂いか?
女王が手を掲げる。
開かれた掌から――灼熱の波動が生み出されていく。
STALIX : 陛下……どうか…お願いです……癒してください……私はStalix……あなたの息子の一人……このままでは血が尽きて……
女王(冷酷に遮り) : お前は私の息子ではない。……そして死者に言葉は不要だ。
彼女の放った力が前方を薙ぎ払う。
大地も、樹々も、空気さえも溶け落ちるように消えていく。
Stalixの身体は瞬時に分解され、叫ぶ暇すらなかった。
女王は腕を下ろし、何事もなかったかのように歩み去る。
その光景を、Kaelは影に身を潜めながら目撃していた。
荒い息を押し殺し、静かに後退する。
視線は怒りと恐怖に燃え、女王から逸らすことはできない。
KAEL(心の声) : ……制御不能だ……今は逃げるしかない! だがいつか……俺の力が奴らを超えた時……必ず全てを滅ぼしてやる。
KaelはStalixの灰へ最後の視線を投げ、目を伏せる。
KAEL(小声で) : ……森の外に死体を見た。吸収すれば……まだ進める。
その身体は影に溶け込み、ふっと消え去った。
夜明けが訪れる。
血の流れは止み、Alcadたちの屍が大地を覆っていた。
PrinceとRikuは立ち尽くし、荒い呼吸を整える。
その瞬間、二つの巨大な気配を同時に感じ取った。
互いに目を合わせる。
PRINCE : ……近い方から行くぞ。
道中、JackardとAltarixが合流する。
Princeは速度を落とさず、合図だけを送り先導した。
二十数分の激走の末――彼らの前に現れたのは、一体のAlcadだった。
無邪気に建物を粉砕し、瓦礫を楽しむかのように笑っている。
ゆっくりと振り返るAlcad。
その顔に浮かぶのは、肉食獣のような嗤い。
そう……それはAlcadの王だった。
ただ一瞥。瞳から放たれた波動が、圧倒的な破壊を生む。
数人の戦士が一瞬で消し飛んだ。
PRINCE(激昂) : ……後悔させてやる。
彼は手を地に当てる。
地面から二本の枝が蛇のように伸び、Alcadへと襲いかかる。
だが王は優雅に身をかわし、片手で一本を粉砕し、蹴りで残りを叩き折った。
そして――拍手を送り、不気味に笑った。
ALCAD(誇らしげに) : ついに会えたな……自然の大帝よ。
探していたぞ、虫けらめ。
その血は俺の力への供物として、この手の中で滴り落ちるのだ……
覚悟しろ。今日、この足元でお前の支配は終わる!
JackardとAltarixがためらうことなく飛び出す。
だが――一瞬で王の姿が視界から消えた。
次に現れたのは彼らの背後。
轟音と共に、強烈な魔波が叩きつけられる。
空気は焼け焦げ、呼吸すら奪われる。
圧倒的な圧力に膝を折り、地面に叩きつけられる二人。
だがその時、Princeもまた力を解き放った。
空気を揺るがすほどの波動が広がり、王の圧に抗う。
解放されたJackardとAltarixは、ゆっくりと立ち上がる。
彼らを支えているのは、自らの皇帝の力だった。
その時、Rikuが一歩前へ出ようとした瞬間――
森を震わせるような叫びが響いた。
Mikoが現れた。
身体は血に染まり、傷だらけだった。
MIKO : た、助けてくれ……! 一緒にいた戦士は全員死んだ……民は避難させたが……女王は……怪物だ!
RIKU : 俺が相手をする。お前は救出を続けろ。
JACKARD : 馬鹿な! 一人で立ち向かえる相手じゃない!
王がMikoへ迫る。
拳が振り下ろされる――だが、その軌道をRikuが遮った。
拳と拳が激突する。
爆発のような衝撃波が大地を割り、百メートル四方の窓ガラスを粉砕した。
王は後退し、目の前の敵を値踏みするように観察する。
次の一撃を放とうとしたその時――
街中に鐘の音が鳴り響いた。
GUERRIER(恐慌) : 新たなAlcadの軍勢が森から現れた!
奴らは街に侵入している……止められない!
PRINCE(拳を握り、燃える瞳で) : Riku! この戦いはお前に任せる!
Jackard、Altarix、戦士たちを率いて進め! 一体たりとも通すな!
Miko、道を案内しろ……!
JackardとAltarixは北へ疾走する。
王は一瞬彼らを見送ると、凄まじい速度でRikuに迫った。
交わされる拳。
轟雷のような衝撃音。
二人の力は怒涛のごとくぶつかり合い、戦場を揺るがした。




