意味不明
「どうした? 俺がどうかしたか?」
「リゾ! 平気!?」
キョウはリゾの腕をつかみ、体をべたべた触りはじめた。
「あぁ」
キョウがリゾを心配しているのが不思議だった。
「リゾ、ごめんなさい」
どうやら、キョウはリゾの魂を喰らおうとした自覚はあるようだ。
「いや、いいんだ。お前を元通りに出来るなら、俺はなんだってする……」
「そんなこと言うなよ」
泣いてたキョウは怒りだした。
「いなくならないって約束したのに」
「そうだったか」
リゾはまたも胸が熱くなるのを感じた。思わず、両腕でキョウを抱きしめる。
「俺のことで泣かなくていい」
「だから、そんなこと言うなって……」
キョウはリゾの胸に顔をうずめる。また泣けてきた。
「お願いだから、いなくならないで」
その様子に胸が熱くなり、愛おしさのようなものを感じた。
もし、今、キョウの瞳が金色に光って邪眼を発しても、そのまま受け入れる。
その覚悟がリゾにはあったが、キョウにはその様子はなかった。
キョウはひとしきり泣いてようやく落ち着いた――。
* * *
「つまり、この子どもが長老だって?」
「あぁ、餌じゃなかったみたい」
「餌って何だ?」
「知らなかったっけ? そっちの説明は今度にしよう」
「そうだな。今は状況を整理するのが先決だ」
「――ロイ君、さほど驚いてないね」
「アグが最高位の力を得た代償に自身の肉体を失ったというし、長老が子どもになっても不思議じゃない」
「つまり、長老は最高位の力を得たが、その代償に子どもになってしまったというわけか……」
ケイとロイが話してる内容が、長老にはよくわからなかった。
二人とも長老を殺そうとしているわけではないようなので、だんだん恐怖は薄れていた。
ケイもロイも複雑な顔で長老を見ていた。
「あんたのことを殺そうとした長老が最高位に……?」と、ロイ。
「寄りによって子どもになってしまうなんて……」と、ケイ。
やはり意味不明だと長老は思った。




