混血
感受性の強い方、閲覧注意。
「こいつは母親殺しのバケモノだ!」
その言葉にキョウはぎょっとなる。
だがレンは気にする様子もない。
「こんな子どもに大人が何人も寄ってたかって恥ずかしくないの!?」
男たちは殴るのをやめないので、レンは魔法で男たちを吹っ飛ばした。
――子ども?
そこでキョウははじめて、リゾが子どもであることに気づいた。
レンは、リゾの様子を伺う。
怪我はしているものの、命に別状はなさそうなのでほっとしていた。
「……はそんな体のでかいバケモノを産んで命を落としたんだ」
よく聞こえなかったが、彼らの仲間の女がリゾを産んだ際に命を落としたらしい。
「……は、エルフの男に襲われてこのバケモノが生まれたんだ」
そこでキョウは彼らがドワーフであることに気づいた。
父親がエルフで母親がドワーフ。
リゾが飛びぬけて大きいのは、高身長のエルフと骨太のドワーフの遺伝によるものだったのだ。
皮肉にもその大きさの母親の体が耐えられなかったようだ。
キョウは言葉もなくただ愕然とするしかなかった。
だが、レンは違った。
「そんなのこの子のせいじゃないでしょう」
リゾは、はっとしたようにレンを見つめる。
「どうする? 私と来る?」
レンの言葉に、リゾは頷いた。
「じゃあ、いきましょう」
レンはリゾの手を引き歩き出す。
それからは、レンがリゾを育てた。
それこそかいがいしく、時には厳しく、時には優しく育てた。
そんな場面を見て、キョウは納得していた。
リゾが忠誠を誓ったかのようにレンに従うのはそういうことがあったからなのだと。
子どもだったリゾは大きくなった。
すっかり大人になったリゾがキョウの前に姿を現す。
リゾは大きく立派になっていた。
――こんなに大きくなって、美味しそう……
キョウはリゾの魂を貪り喰い始める。
ぞっとした。
キョウは必死にやめようとした。
だが止められなかった。
とてつもなく美味な魂が味覚や嗅覚を支配する。
抗おうにも止められなかった――。




