神の使い
* * *
現れたのはスライムだった。
またか、とエニモスがうんざりしていると、オズは適格に部下たちに指示を出す。
「……有能じゃの」
エニモスは思わずつぶやいていた。
はからずも、エニモスはネードと同じようなことを考えていた。
しかし、倒しても倒してもスライムがやって来る。
仲間を呼ぶ習性のあるスライムだが、やけに多いような気がした。
魔脈の影響なのだろうか。
そうなってくると、目を醒まさないキョウが気掛かりだった。
そろそろ長老が撤退を命令しないだろうか?
なんて思っていた時だ。
それは突然だった。
一際大きなスライムが、キョウと長老の方へ向かって言ったのだ。
キョウは起きない。
長老は必死に防戦していた。
* * *
シヴァは愕然とした。
ガイルの体を手に入れルウの地を脱出したはずが、かつての自分の機械の体だった。
この体はもう壊れかけている。ほぼ動けない。
――入れ替わりの魔法が破られた!
そんなはずはない!
完璧とまではいえないまでも、入れ替わりは確かに成功していたのだ。
――何が原因だ?
シヴァは辺りを見回す。
カーテンを開け、窓の外を見る。
そこはラテーシア家の庭で、環境維持ロボがいた。
水晶が金色のロボだ。
そういえば、さっき、ガイルの体で歩いているシヴァのズボンの裾をつかんだのも金色のロボだった。
かつて、パースが言っていた。
環境維持ロボは神の使いなのだという。
もしかしたらこのロボがいなかったら、シヴァの計画は成功していたのではないか。
そう思った途端に、体動いていた。
シヴァはロボ魔法で攻撃する。
胴体に穴の開いたロボは吹っ飛び、破片が飛び散った。
それだけでは満足できなかった。
シヴァはありったけの力でロボの頭を踏んづけた。
ぐしゃっというつぶれる感触。
アームをばたつかせ、足のキャタピラが空回りしている。
その様子を見ながら、シヴァの意識が消えた――。




