確認
水脈を開くにはもう少しルウの地に近づいた方がいいんじゃないか。
お菓子を食べながら、キョウはそんな説明をする。
エニモスは頷いていたが、長老は反対のようだ。
「そんなことをしたら、ルウの民に見つかってしまうだろうが」
「ルウの民が見つけられないような場所に水脈作ってどうするの?」
今更ながらのキョウの疑問に、長老は言葉を詰まらせるがすぐに反論する。
「この私こそが水脈を開いたという事実が大事なのだ!」
「……? 旅人向けとかそういうこと?」
「………」
キョウはキョウなりに長老の言葉に納得していた。
長老は自身の名誉のために水脈を開きたいわけだが、どうにも通じていないようだ。
苦笑いしてしまうエニモスは口を出さず見守っていた。
「そろそろ、水脈を……」
「そうだ! とっととやれ!」
と、エニモスがキョウに言いかけた言葉に被せるように、長老が大声を出す。
エニモスはうんざりしつつ、口をつぐんだ。
エニモスには急ぐ必要はない。
作業が遅れても別にどうでもいい。
「あ、そのことなんだけど、私にはムリ……」
「なんだと!?」
長老がキョウの胸倉をつかんで抗議する。
「これまでのことが水の泡ではないか!」
「辞めて下さい!」
オズが、キョウと長老の間に割って入り必死に止める、
「最後まで聞いて。私じゃムリだから女神ルウの使いがやってくれるよ」
「はあ?」
「じゃあ、私は寝るから」
「はあ?」
その場にいた誰もがキョウの言ってることの意味がわからなかった。
キョウはそのままその場であおむけになり眠ってしまう。
そして、その場に環境維持ロボが現れた。
環境維持ロボはエニモスの描いた魔法陣の中に進んで行く。
水たまりにアームを入れると、掘る作業を始めた。
「まさか、掘って井戸にするつもりか?」
と、長老。
「黙るのじゃ」
と、エニモスが小声で制止する。




