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月色の砂漠~新最高位誕生編~  作者: チク


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探索



 昼になっても、キョウはそのままだった。

 長老が「こいつはいつまで寝てるんだ」と憤る。



 寝てるのではないということが、エニモスにはわかっていた。


 目をつむり横たわる姿勢は、確かに眠ってるように見える。

 だが、寝息が違う。

 規則正しい寝息ではなく、細く、長い呼吸。


 ただじっとしてるだけかとも思ったが、こんな長時間、動かないのも不自然だ。

 何より腹は空かないのだろうか?


 エニモスもこんなのははじめて見た。


 一体、キョウは何をしているのか? 本当に女神ルウと交信中なのかも知れない。

 キョウという人物は何か得体の知れないものを秘めているのだろう。




     * * *


 そのキョウはといえば、環境維持ロボを操りルウの地の外側を走行していた。


 魔脈が強く感じられるところを探りながら走行している。

 あまり外に出過ぎると、環境維持ロボが動かなくなる。

 その兼ね合いが難しい。


 途中、グレスの家に辿り着いた。


 結界があるから常人には見えないはずだが、キョウには見えた。


 植物のない砂漠のど真ん中に、ため池と女神像と家がある。

 グレスは不在のようだ。


――ここの近くで、水が湧けばいいな。


 ここに泉が出来て、植物が生えて来れば、グレスも助かるに違いない。


 と思ったが、ここらの魔脈は弱い。

 水脈もほとんどないだろう。


 キョウは気落ちするが、まあ、それもそうかと思う。


 水脈があれば、とっくにグレスが泉を湧かせているはずだ。

 


 この場所の魔脈は弱いが、女神像はエネルギーを蓄えているようだ。


 キョウは両手もとい、両アームを組み、女神像に祈りをささげる。


 そうして、アームの接続端子を、女神像の溝部分に差し込む。


――充電しておこう。

 充電しておけば、魔脈の届かない場所でも多少は動ける。


――充電するのって気持ちいいな。

 自分の中が違う何かで満たされる感覚はなんとも言いようのない幸福感に満ちている。


 充電を終えると、キョウはまた祈りをささげ出発するのだった。




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