突然の訪問-2-
「ふん! 水脈も開けぬわ、魔力のない男一人邪眼もかけられぬわ、とんだ役立たずめ」
黒いローブを被ったその人物は、エニモスに言ったのだが……
「え? やっぱり、長老?」
キョウにずばり自分の正体を言い当てられ、長老は焦る。
「隠密行動ではなかったのか?」
エニモスは呆れていた。
男たちの間に沈黙が流れた。
「長老と? オズさんに部下さんたち?」
若干警戒していたキョウだったが、ほぼ知り合いだとわかるとすっかり油断していた。
「やれやれ……」
呆れつつも、前に出たのはネードだった。
ネードは袖からワイヤを出す。
ワイヤとは鞭に似た武器だ。
対アンドロイド用で、人間相手に使うのは気が引けたがそうも言ってられなかった。
ワイヤはキョウの体に巻き付く。
そこで、がっくりキョウは意識を失った。
「よくやった!」
長老は喜んでいた。
長老は部下たちに、気絶したキョウを用意していた大きな箱に詰めるように指示を出す。
この計画のために急遽用意されたもので、下の方にはキャスターが取り付けてある。
ネードは釈然としないものを感じながら、その様子を見ていた。
ワイヤに電流を流して気絶させるつもりだったが、ネードは電流を流していない。
そんなに強く巻き付いてはいないし、気絶するはずがなかった。
――具合でも悪いのか?
ネードは何気にキョウの家の中を見た。
同居人はいない。
何か持病の薬でもあれば、持たせてやろうと思ったのだが――。
「急げ!」
長老の命令通り、部下たちは急いでキョウを運び出そうとする。
その時だった。
「その男を離せ」
大きな赤い髪の男が立っていた――。
* * *
その場にいた全員がぎょっとした。
暗がりから、大きな赤い髪の男が突然現れたのだ。
身長はゆうに2メートルを超えている。
なかなかの威圧感のあるその姿に、長老はじめ部下たちも恐怖に陥っていた。




