余生
「それは厳しいな」
今、長老は最高位になるために、水脈を開くんだとか意気込んでいる。
この地の外側で、部下の魔法使いたちと画策している最中だ。
とはいえ大事な要人を二人も暗殺未遂している長老なわけだから、姿を隠しながらの隠密行動となる。となれば、やはり会うのは無理なのもわかっていた。
「まあ、そうだよね」
シヴァはため息をつく。
なんだか、今日はため息ばかりついてる気がする。
「……終わった」
そんな感想が漏れた。
「大丈夫。フォローするから」
ネードが言う。
「寝床つきで豪華な食事で余生を送りたいんだろ?」
それを聞いて、シヴァはにこりとする。
「そうだったね」
長老のフリをするよう言われた時、交換条件でそんなことを言った。
本当のシヴァの狙いは別のものだったが、それを言えばきっと追い出されるだろう。
「おいしい食事にあんな寝心地のいいベッドまであるんだ。このまま長老として余生を送るよ」
シヴァはにこりと頷き、ベッドの方を見た。
ベッドは衝立の向こうにある。
「あぁ、今日はもう休め」
ネードは立ち上がる。
部屋から出るついでに足の折れてるシヴァをベッドへつれて行ってやろうと思ったが、シヴァはまだアルバムを見るのだと言う。
「じゃあ、おやすみ」
と、ネードは部屋から出るのだった。
シヴァはその後もキョウの写真を探していた。
キョウの写真は、ガイルとファウと三人で写ってるその一枚だけだった。
――違うアルバムにあるかな?
先ほどガイルに数冊アルバムを持って来てもらっていた。
違うアルバムを見ても、キョウらしき人物の写真はなかった。
キョウはここの家族ではないのだし、別段おかしなことではない。
少し残念に思いながら、シヴァはアルバムを閉じた。
シヴァが知る由もなかったが、他の写真はガイルが密かに自分の部屋に持って行っていたのだった――。




