記念撮影
「一人抜けたし、じゃあ、王子様とお姫様と悪者ごっこはおしまいね」
と、ファウが言う。
キョウが頷いて、ファウとキョウはそのまま帰ろうとする。
「待て待て」
「あ、ガイル、いたの?」
「ここ、俺ん家だって」
そういえばそうだった、とファウはそこで気づいたようだ。
「お姫様?」
と、ガイルはキョウを指さす。
「そうよ。かわいいでしょ。私が誕生会で着たドレスなの」
ファウが言う。
そういうことか、とガイルは妙に納得した。
「……なんか中途半端」
かわいいドレスに、きれいな金色の髪なのだが、髪飾りをとにかくごちゃごちゃつけただけで簡潔にいえばぐしゃぐしゃ頭だった。
「やるなら完璧に」
ガイルの提案にファウは強く頷いた。
というわけで、ガイルは急いで侍女を呼びに行った。
侍女ははガイルからの説明を聞き、まるで微笑ましい話でも聞いたかのようににこにこしていた。
「――というわけで、お姫様にしてやって」
「わかりました。では早速……」
と侍女はファウの髪を櫛で梳かし始めたので、ガイルは慌てて止めた。
「違う違う、こっち」
「えぇ?」
言われ、不思議に思いながらもキョウの髪をセットしはじめる侍女だった。
数分後――。
かわいい服に、きっちりセットしたきれいな長い髪。
加えて薄化粧も施したキョウはとてもかわいい女の子で、ガイルは直視できなかった。
その後、気をつかった侍女はファウの髪も同じようにセットする。
せっかくだからと、三人で記念撮影をしていたのだった――。
*
大人になったガイルは、今、その写真を眺めていた。
写真を撮る時、すごく緊張していたのを覚えている。
「魂が喰われたってどういうことだ?」
ガイルは一人、部屋で写真を見ながら、そんなことをつぶやいていた。
長老が言っていた、キョウの魂を喰われたという言葉が、非常に気に掛かる。
どういうことか問いただそうとしたら、主治医に止められた。




