失言
「飲まないならもらう」
立ち上がったシヴァに替わり、今度はネードがソファに座りコーヒーを飲む。
そこで、シヴァは環境維持ロボを目があったような気がして、窓から離れた。
足を引きずりながら、ソファへ戻る。
そして、こんなことをつぶやく。
「どうして、キョウ・テセティアは女の子の恰好をしていたんだろう?」
シヴァはキョウとは面識がある。
シヴァが見たキョウは短髪でそんな華やかな印象はなく、ごく普通の男といった印象だった。
たった一つ魂を半分喰われていることを除けば、だが――
パースの運命の相手だそうで、パースにはよくしてもらったし自分の計画には巻き込みたくはないのが本音だ。
パースの話では、キョウという人物はかつてはきれいな金の髪と強い魔力を持っていて、それゆえ女神ルウの生まれ変わりという説もあったほどだったのだという。
女神の生まれ変わりと称されているのは、外見がとても女の子らしかったからだろうと判断し、ガイルと一緒に写真に写っている女の子をさも懐かしそうにキョウだと言い当てたまではよかった。
まさか、とうの長老がその噂を完全否定していたなんて思いもしなかった。
「キョウ・テセティア? あぁ、六番隊隊長か?」
首を傾げつつ、ネードもアルバムを見た。
写真のどの子かわかってないようなので、シヴァが金色の髪の子を指さす。
「え? えぇ……」
ネードは半信半疑の表情だ。
どうやら、ネードも子どもの頃のキョウを知らないようだ。
ネードからの情報は当てに出来なさそうなので、シヴァはため息をつく。
「どうも失言してしまってるような気がする」
シヴァの中はそんな不安ばかりだ。
さっきのガイルの様子から察するに、何かまずい発言をしてしまってる気がする。
「まあ、何かあっても年のせい病気のせいということにするからあまり気にしなくていい」
「……頼りにしてる」




