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最上流古武術

 岬とのタイマンの翌日、文人がアーニャに日本語を教えていると、

岬がやってきた。

そして文人の所に来ると、いきなり土下座した。

「弟子にして下さい!」

「お帰り下さい」

岬の言葉に間髪いれず拒否する文人。

「なんでやねん!」

「いや、俺に何の得が?」

「……ジュースを買ってきたりとか?」

「それはパシリだろ。とにかく俺は弟子を取る気はない」

「そこを何とかたのんます!」

岬は文人の足にすがりつく。

文人がどう断ろうか思案していると、今度は舞が声をかけてきた。

「何してるんですか最上さん?」

「武藤さん。ちょっと取り込み中なんだが」

「最上さん。今日はお願いに来ました」

「何?。こら、いい加減放せ!」

「ボクシング部に入って下さい!。お願いします!」

舞も土下座で文人に頼み込んだ。

「お帰り下さい」

これで何度目だと文人は思った。

「お願いです!。このままだと部員不足で廃部になります!」

舞が反対側の足にしがみつく。

「二人共放せ!。他の奴を当たってくれ!」

「最上の兄貴より強い奴、他に知りません!」

「最上さんなら即戦力間違いなしなんです!。助けて下さい!」

「おい。加賀つったか?。文人が迷惑してんだろ」

花音が助け舟を出す。

「は?。関係ない奴は引っ込めや」

花音と岬の間に険悪な空気が流れる。

「タイマン張るか?」

「上等やないか!」

「やめろ二人共!」

文人が止めに入る。

「加賀。俺は修行中の身だ。だから弟子はとれないんだ」

「そうなんですか……」

岬はガックリとした。

「武藤さんもそういう訳だから無理なんだ」

「だったら入部届だけ出して下さい!。書類上の存在だけでいいので!」

「まあ、書類上だけだったら」

文人は武藤さんにそれで納得してもらった。


 昼休み

「なあ、文人」

「なんだ花音?」

「修行中ってどういうこと?」

「ああ、実家が古武術道場やっててな。それの修行中ってこと」

「古武術道場……興味あるわね」

「鏡花。見ても楽しいものでもないぞ?」

『日本の武術興味あります』

「アーニャまで……。まあ、見学するのは構わないけど」

「うっし。じゃあ放課後は文人の家だな」


 放課後

「ここが俺の家だよ」

「道場も兼ねてるのね」

「最上流古武術か……」

『日本のお屋敷ですね』

「それじゃ中へどうぞ」

文人は三人を中へ案内した。

「ただいま」

「お帰り文……」

「お邪魔しますお母さま」

「お邪魔します」

『お邪魔いたします』

「…………」

「母さん?」

文人の母は文人を掴むと別の部屋へ連れ込んだ。

「あの子達は誰!?。三人共美少女なんだけど!?」

「母さん落ち着いて。学校の友達だよ」

「そうなの?。恋人じゃなくて?」

「今の所は」

「まあ、失礼のないようにね。……襲わないでよ」

「しないよ!」

二人は三人がいるところに戻ってきた。

「とりあえず俺の部屋行こうか」

「ええ。そうしましょう」

文人達は文人の部屋に向かった。


 文人の部屋

「ここが文人君の部屋か」

「本が多いな」

『洋書もあります』

「まあ、つまらない部屋だけどね」

「あら。そうでもないわよ」

「そうか?。面白い物があるわけでもないし」

その時、文人の部屋のドアが開いた。

「おお。母さんの言ってた通りだな。

美人さんを三人も連れて来るとは文人もやるじゃないか」

「文人君この人は?」

「こんなですがうちの父さんです」

「どうも文人の父です」

「父さん。三人はうちの古武術を見に来たんだけど」

「ああ、いいぞ。まあ、文人は俺をもう越えてるんだけどな」

文人達は道場へ向かった。


 「あの、文人君はお父さんを越えてるんですか?」

「ああ。というよりあいつは生まれた時から強かった」

「生まれた時から?」

「小さい頃から圧倒的な武を示してな。道場じゃ敵なしだ」

「そうなんですか……」

「父さん。胴着に着替え終わったよ」

「それじゃ始めるか」

両者とも開始線に立つ。

仕掛けたのは父。

文人の手をつかむとくるっと投げる。

「……」

それに対して文人は空中で体勢を立て直し着地する。

今度は文人。

右ハイキック。と、見せかけてローキックに打ち下ろす。

それを父はしっかりとガードする。

今度は父が正拳突きを出すも、文人は余裕を持って躱す。

「こんなものでいいか文人」

「ありがとうございます父さん」

互いに礼をして終了する。

「さて、演武だったけどどうだった?」

文人の言葉に三人は驚く。

真剣にやってたと思っていたからだ。

「まあ、文人が本気でやったらすぐに試合が終わるからなあ」

「ちょっと待って!。修行中って言ってなかったか!?」

「修行中だよ。俺的には極めたと思ってないから」

「これだけ強くても修行中なのね。武術は奥が深いわ」

『凄いですね』

鏡花達は文人の強さの一端を垣間見た気がした。


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