表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ベストイレブン  作者: るんるん
1/1

episode1 MF 佐々木瞬

サッカー、それは世界中で親しまれ、多くの人が1度は見たことがあるであろう有名なスポーツ。4年に1度行われるワールドカップでは世界中が大いに盛り上がる瞬間であるだろう。

日本サッカーはかつてワールドカップ本戦出場を目指し、戦ってきていた。またJリーグのレベルは他の国のレベルに比べると低く、多くのプロ選手が海外でのプレーを望んでいた。

2140年現在、日本はサッカー強豪国と呼ばれ、ワールドカップでは当然の事ながら優勝を目指し戦っている。また、Jリーグは世界五大リーグと呼ばれる中のひとつとして、強豪リーグにまで成長していた。

そしてこの物語は現在の日本代表、いや、世界を代表するであろう11人の選手達の成長の物語である。




2112年7月、東京に1人の赤子が生まれた。

名は佐々木瞬。

出生時の体重はやや軽めではあったが元気な男の子だった。

2歳になった頃、瞬は初めてサッカーボールというものに触れた。

瞬の父親はサッカー経験者であり、よく社会人チームの練習に参加していた。

瞬はボールの匂いを嗅いだり、叩いたり、持ち上げたり、舐めたり、、、とにかくボールが大好きだった。

3歳になるとボールを蹴るようになりだした。

父親と一緒にパスの交換をするのがとても楽しかったのか、毎日毎日朝でも夜でも外でも家の中でもパス交換をしていた。

この時すでに父親は違和感を覚え、かつこの子はプロになる選手だと確信をもった。

なぜ父親は違和感を抱き、プロとなる確信を持ったのか、

それは瞬が初めてボールを蹴った時からずっとインサイドキックだったからだ。

インサイドキックとは足の内側でボールを蹴るキックで、サッカーでは基本中の基本のキックである。

だが、大抵最初はトーキックと呼ばれるつま先で蹴る蹴り方でボールを蹴ってしまうのだ。

なぜならインサイドキックをするには股関節を開き、日常では使わないであろう動きでボールを蹴るからである。

例えば道端に落ちてる石を人生で初めて蹴った時、足の先で蹴ったのではないだろうか?

普通は無駄な動作などなく、一番蹴りやすいように蹴るであろう。

それを瞬は初めてボールを蹴った時、わざわざインサイドキックで蹴ったのだ。

そして、驚いたことがもうひとつあった。。。


6歳になり、瞬は東京マトリックスジュニアに入団した。

最年少ながら瞬の技術は周りを魅了した。パス、ドリブル、シュート、全てにおいて周りとはふた周り程飛び抜けていた。

そのせいで周りの子から距離を置かれるようになったこともあったが、瞬は一切気にしなかった。

9歳の頃、すでに日本の注目選手の1人とされていた瞬は有名なサッカーチャンネルの人にインタビューを受けていた。

「将来何になりたいですか?」

と聞かれると

「プロサッカー選手」

と答えた。

「好きなサッカー選手はいますか?」

と聞かれると

「チャビ」

と答えた。

これにはインタビューしてきた人も驚いていた。まさか100年ほど前の選手の名前を出すとは思いもしなかったのだろう。

「すごい昔の選手を知ってるんだねー!

チャビのどんなところが好きなの?」

とインタビューされると、誰もが予想しない答えが返ってきた。

「サッカーの見方が僕と一緒に思えた。」

100年も前の選手のプレーなど当然見たことがない。見たとしても、YouTubeで切り抜かれたプレー集や、有名な試合などだと思うが、普通、パスとかドリブルとかそういう単語が出るものだろう。この時のインタビューは当時のサッカーファンを震撼させていた。とんでもないやつが日本に生まれた、と。


瞬はそのままユースに昇格、そして15歳でプロになった。

U-21の日本代表にも選ばれていた。これは凄まじい出来事だった。しかも所属先は東京マトリックス。Jリーグでトップを争う強豪チーム。それにも関わらず、瞬はプロ二週間でスタメン、プロ1ヶ月でプロ初ゴールを決めていた。

まさに天才の誕生だった。




2年後、2130年

背番号4番

佐々木瞬17歳

初日本代表Aチーム入りの瞬間。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ