契約はしたくないです
短めかもしれない。
「ぼくの名前は白鷹です。よろしくお願いしますー。」
やっと私の話から離れてくれてほっとしながら、差し出された手を握った。
「よろしくお願いします。」
「はーい。」
そうして、私はその手を上下に強めに振った。
「うわー激しー。」
そして、天使改め白鷹さんは、傍に避けていた契約書をもう一度目を前に置いた。
「サインお願いしまーす。」
「いやです。」
私が速攻で断ると、白鷹さんは面倒臭そうな顔でふぅーと息をついた。
そして、
「じゃあ、いいです。」
あっさりと引き下がった。
「あれ?案外あっさり……」
「でもぉ……」
席を立って3歩歩いた白鷹さんが嘲笑うような顔でこちらを見た。
「あなたがやってきた武術(笑)って、危険すぎて役に立たないらしいじゃないですかぁ。そんな都合の良いイケメンなんて存在しないし、ほんっと、無駄な努力しちゃいましたね。」
私がイラッとして勢いよく席を立つと、白鷹さんは更に畳みかけた。
「大体、そんな幻想を高校生にもなって抱いているあたり、馬鹿なんじゃぁないかな、ふふっ。そんな事あるわけねぇだろぉ」
その瞬間、私は白鷹さんに掴みかかった。
「おおっと、チョロいなぁ!」
そう言うと、白鷹さんは私の足を引っ掛けた。
「へっ?」
バランスが取れなくなった私は手を握りしめる。
そして、その手は白鷹さんの美しき顔面にめり込んだ。
毎度のことながら読んでくださってありがとうございましたm(__)m
誤字、脱字や読みにくい、わかりにくいなど、教えてくださると嬉しいです。