イケメンは面倒
迷走してきてる
「あの……私は疑って悪かったとは思っています。」
「はいはい。そうですよねー!」
「でも……
だからってカフェで奢れって……」
私は今カフェに居る。
イケメン改め天使に、先程やばい人じゃないかと疑ってしまった慰謝料代わりのキャラメルマキアートを所望されたからだ。
「えー?そんな事言っちゃってぇー、本当に反省してますー?」
「いや、悪かったと思いましたけど、だいたい、急に家の前に現れて変なこと言い出す人なんて……疑われてもしょうがないと思うんですよ。」
ついイラッとして本音が漏れてくる。
「それに、天使なんだから人間界のお金なんていくらでも出せるでしょう?一生懸命バイトした人間が得たお金で飲むキャラメルマキアートは美味いですか?」
一気にまくし立てると、あははっと元気よく笑われた。
「美味しいです!」
そして、ニコニコと満足そうに最後の一口を飲み終わる。
自分の飲み物まで頼めるほどのお金が残っていなかった私は、その満足げな笑顔に苛立っていた。
最後の一口まで恨みがましく見つめてから、「魔法少女って何ですか」と聞こうと口を開いた。
が、それよりも早く横を向いた天使は、「キャラメルマキアート一つください。」と笑顔で言った。
「えっ!?もうお金無いですよ!」
「あー、さっきの一杯でやばい人扱いの件はチャラですよー。これは自分で払います。」
案外優しい事を言うので、思わず「ありがとうございます」と言いかけたが、家の前で待ち伏せしていた姿を思い出して堪えた。
「魔法少女の件について聞きたいのですが。」
キャラメルマキアートを飲んでいる時、天使はもの凄く幸せそうな顔をしていた。
しかし、話しかけようものなら真顔で「空気読めよ」みたいな顔をしてくる。なんなんだ。
だから、キャラメルマキアートが出てくるのを待っている間に話を聞くしかない。
と言うか、なぜ私がこの人の話を聞き出す側なんだ。
あっちが私を待ち伏せしてまで話したかったのだから、普通は私の都合に合わせるべきじゃないのか。
都合と言えば、朝からあまりの衝撃の連続で忘れていたが、今日は学校がある。
今が何時か知らないが、遅刻しているのは確かだ。皆勤賞だったのに。
「あー。魔法少女ですねー。えぇっと、あ、そうだ。資料があるんですよ。」
そう言いながら、天使はカバンから『資料』と書かれたノートを取り出した。
「では、説明しましょうかー!」
今回は特に長くて分かりにくい文章ばかりだったと思います。こんな完成度で読んでくださってありがとうございました。
誤字、脱字、つまらない、わからないなど教えていただけると嬉しいです。