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第43話 神との再遭遇

評価を付けてくれた方々、ブックマークを付けてくれた皆様、本当にありがとうございます。

おかげさまでブックマークが50件になりました。次の目標は100を目指します。

『あれま? まさか君から僕に接触できるようになるとはね? おひさ~長慶君』


 間違いなく僕の目の前には神様がいる。しかも僕の世界の神様だ。


『ちょっと待ってね――今食事中でさ――ズルッ!――あ~やっぱりざるうどん最高だね! 食べやすさといい、喉越しといい、本当に美味しいね』


 何故か神様はざるうどんを食べている。しかもうどんの上には香味野菜がたっぷり乗っているざるうどん。

 そのため、僕は気が付いた事があるので聞いてみた。


「あの――神様が今食べているうどんって、みなもの手料理ですか?」


 あの野菜の盛り付け方やバランスは何度も見た。だから間違いない筈。


『――ズルッ――そうだよ? 彼女偉いね。毎日こうやってお供え物と称してご飯を置いてくれるの。マジで助かるよ』


 どうやらみなもは元気で暮らしているらしい。それだけでもわかった事がとても嬉しかった。


『ていうか、もうあの世界の世界樹に触れたんだ? 結構早かったね。僕としてはもう少し時間が掛かると思ったけど、よかったよかった』


 そう、僕は今日世界樹に触れた。触れたと同時に意識がなくなるような感覚に襲われ、僕の精神はこの場所に飛ばされたようだった――


 ***


「さて、ナガヨシ君。今日世界樹に触れる許可が出た。早速行くかね?」


 ガストンさんは僕との約束を早速守ってくれて、わずか2日で世界樹の調査の許可を貰って来た。

 どうやら僕が提供した勇者一行情報は、帝国内ではまだ伝わっていない情報だったらしく、特に職業がわかっている事が大変喜ばしかったみたいだ。

 そのため、わずか2日で調査ができるようになったと思うと、本当に勇者の情報って凄いんだなと思ってしまった。

 やはり、もしかしたら正体的に敵国になる国の戦力の情報だ。今の時点でも物凄く貴重なんだろう。


「ガストンさん、ありがとうございます。早速行かせてもらいます」

「私も行くよ! ナガヨシには悪いけど、どこまでも着いて行くからね!」 


 そうして、僕とクルルさんは世界樹が触れる場所まで案内された。

 なお、世界樹は城堀内ではなく、城堀の隣に専用の広場があり、そこから世界樹に触れるようになっていた。


「よし、じゃあ触ってみる。何かあったら絶対に起こしてね」

「うん、私に任せて」


 そして僕は世界樹の幹に触れた。その瞬間、圧倒的な魔力のようなものを感じ取り、僕の意識は樹に吸い込まれていくような感覚に襲われたのだった。


 そして――気が付くと、真っ白い何もない空間に僕は漂っているようだった。

 どちらが上でどちらが下なのか、どちらが前でどちらが後ろなのか本当にわからない空間。

 とりあえず、前方に進むように体を泳ぐように動かした。何となく体は進んでいるように思えるが、果たして本当に進めているのかは疑問である。

 しばらくそうしていると、黒い点のような見えてきた。正直嬉しい。白以外は何もない空間で、初めて白以外の色が見えたんだ。

 僕はその点を目掛けて、必死に体を動かした。そしていよいよその点の正体がわかる距離まで移動でき、そして――


 ――何故かざるうどんを啜っている僕の世界の神様と遭遇した――


 ***


『で、何しにこの神の領域に来たの?』


 いや、神様ならわかると思うんだけど? 前回も僕の心の声をナチュラルに聞いてたみたいだし。


『いや~こういうのって本人の口から直接聞きたいじゃん? コミュニケーションだよ長慶君。この領域にいたらあまり声が必要なくなるからね。たまには口で会話したいのさ』


 であるならば仕方がない。口で説明させてもらおう。


「とりあえず、帰還方法を探すために魔力が多く集まる世界樹を調べに来ました。そしていざ調べる為世界樹に触れたらここに来ました。以上」

『え? もしかして最初の調査でここに来たの? いや長慶君凄いね。僕はてっきり魔王の配下の内誰かを倒してからここに来ると思ったのに』


 え? どういう事?


『僕の方でも一応帰還方法は調べておいてあげたよ。で、わかった事があるから伝えるね?』


 僕は頷き、続きを促した。


『まず――面倒だからやっぱり紙に書くわ。喋るの怠い』


 そう言って神様は紙を用意し、文字を浮かばせた。


『これは神しか扱うことができない特別な紙。自分が思った事を紙に転写できる紙さ。どうだ! 羨ましいだろ? これさえあれば小説家の仕事量が10分の1になるね』


 確かに思った事が自動的に紙に転写されるのであれば、小説家には喉から手が出るほど欲しいアイテムで間違いない。

 でも、僕は残念ながら小説家ではないので、少しだけ欲しいなとしか思わないアイテムだ。


『よし、転写完了。後はこれ読んで』


 紙を渡されたので、さっそく拝見。何々――


 ・このアテナネーゼの世界は現在、魔王によって境界が滅茶苦茶にされてます。そのため、魔王討伐は必須となります。

 ・魔王には配下とよばれる魔物が3体おり、その3体を倒すことで魔王の弱体化ができます(理由不明)。

 ・その配下の内の1体に、帰還の為の必要アイテムを所持している事が判明。誰かは謎。

 ・帰還には3つの異なる膨大な魔力が必要。そのうちの1つが世界樹


 箇条書きで書かれていた。しかし、全て難度が高いな。

 1と2はセットとして考えて、とりあえず魔王を倒さないといけないのはわかっていた。ただこれが、帰還する為には必ず倒さないといけないに変わってしまっただけだ。

 しかし、3番の魔王の配下が持つアイテムか。もしも僕じゃなくて他の勇者一行がその魔物を倒した場合、回収してくれるかな?

 そして最後、残り2つの異なる魔力か。心当たりがないのでガストンさんとかに聞いてみよう。


『もう読んだ? そろそろ帰りな。ここに神以外が長居してたら死んじゃうよ?』

「え? 死ぬんですか?」

『うん。精神が耐えられなくなって死んじゃうよ? だから帰った帰った』


 そう言って僕を向こうの世界に返そうとする。

 その前に一つだけ聞きたい事があった。


『あぁ、奥さんは元気だよ。今日も君の無事を祈って埴輪にお祈りとお供え物してるよ』


 そうか、みなもは元気でいてるのか。良かった。ていうかやっぱりあの埴輪を使ってたか。


『あれって実は凄い品物でね? 僕の髪の毛を1本使ってたらしいの。だからその埴輪にお供え物を置くと僕もそれを食べれるってわけ。いや~ラッキーだったね。

 そんな奥さんが健気にお供え物をしているから一つだけいいことを教えてあげる』


 なんだろう?僕が決めていい事なのかな?でもみなもが元気であるという情報だけで充分だけど?


『子どもは女の子です。頑張っていい名前をを考えてね? お父さん』


 その言葉を聞いたと同時に、僕はまた意識が引っ張られた。今度は樹の外側へ向かうように――


 ***


 気が付くと僕はクルルに膝枕をされていた。今日のクルルは短パンのため、生足の感覚が気持ちいい。


「あ、起きた。おはよう。大丈夫?」

「うん、なんとか――どれくらい倒れてた?」

「だいたい1時間ぐらいかな?」


 向こうとそんなに時間の進みは変わってないみたいだ。


「で、何かわかった?」

「うん。向こうで神様に会ってきたんで、ついでに情報を貰って来たよ」

「おお! まさかの前進じゃん! で、どんな内容?」


 僕は先ほど手に入れた内容をクルルに説明した。

 クルルは魔王の件では物凄く驚き、魔王の配下とか聞いたことないと言っていた。

 更に世界樹に匹敵する魔力についても心当たりがないらしい。


「困ったわね――とりあえず、お父様にも報告することができたから、帰ろうか?」


 そう言ってクルルは立ち上がろうとしたが、僕の頭が未だに膝から離れない。

 何故なら――


「ごめんクルル。なんだかまだ体に力が入らなくて立てない。もう少しこのままでいいかな?」

「――うん! 仕方がないな~。もう少しだけ私の足を堪能したまえ」


 その許可を頂いたので僕は目を閉じた。流石に神の領域に1時間もいたせいか、まだ頭も体も上手く動かないようだ。

 そのため、仕方がなくクルルの生足を堪能――じゃなくて、クルルの膝枕を借りることにした。本当にごめんね?

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読んで頂いた皆様には、ブックマーク、評価をしていただきますと、総合ポイントの数字も増え、私のモチベーションも上がり、執筆作業が捗るようになります。


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