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現人神出現す。
天皇陛下が事実上の現人神となられます。
私は天皇である。朝起きたところ、昨夜観た夢を鮮明に覚えている。神の一番弟子が私に降臨すると話し、自分の身の上話やこれから日本が米国をはじめとする西洋列強との悲惨な戦争について説明したのだが、あれは本当だったのか?と考え込んでいると侍従が起こしに来てくれた。侍従で試してみるかという悪戯心が沸いてきた。
私「これ、近う寄れ!」
侍従「何でございましょうか?」
私「眠っている間に私に神が降臨されたのだ!」
侍従「陛下は現人神であらせられますので…」
私「それでは、これはどうか?」
私は、床の上に燃え盛る大きな炎を指先で出現させた。侍従は、慌てふためいて、「火事だ!」と叫んで部屋から出て行った。驚かせてしまったな…、うむ、これは一体?
次の瞬間、頭の中で声が聞こえた。
「天皇陛下、お分かりになられましたな!私です、神の一番弟子でございます。貴方と私は、既に一心同体なのです。全知全能の存在たる私が貴方と共にあります。如何なることでも可能ですぞ。」