現人神たる天皇陛下、外国の首脳を国賓として一度に招待することを計画される。
花見の季節に外国の要人を国賓として一堂に皇居に招待することを思いつかれた天皇陛下。近衛文麿とともに準備を進められます。
天皇陛下「近衛よ。やはり、まだ訪問していない国の首脳を国賓として招待するのは、無理であろうな。フランスと英国は朕が訪問してからにしよう。カトリックとプロテスタント、英国国教会が絡んでおるし、その代わり、ハワイ国王とポーランド大統領を国賓に加え招待しよう。」
近衛文麿「問題は、時期ですな。花見の時期は如何ですか?」
天皇陛下「それが良い。近衛よ。任せてよいか?」
近衛文麿「お任せ下さいませ。」
天皇陛下「頼んだぞ、近衛。」
近衛文麿から天皇陛下に国賓についての奏上があったのは、冬も終わろうとする2月末の頃だった。
近衛文麿「陛下、ほぼ決まりましたぞ。四月早々に米・中・ソ・独・伊の五か国、さらにハワイとポーランド、加えてローマ法王も万難を排して来日されるとのことです。米国は家族同伴、中国は夫人同伴、ハワイ国王とポーランド大統領も家族同伴とのことです。」
天皇陛下「ふむふむ、それは良い。皇居で華やかな花見の宴を行おう。各国の招待客はそれぞれの国に任せ、国内各界から招待客を選ぼうではないか。」
近衛文麿「陛下、しかし国賓に対する警備が大変ですな…。」
天皇陛下「心配するでない、朕はこの世では全知全能だぞ。安心致せ。」
近衛文麿「安心致しました。そうですな、陛下の前ではテロリストさえ赤子同然でございますからな…。」
こうして、日本初、世界初、複数の国賓を迎えることになる大日本帝国であった。