どうも、2ヵ月ぶりです。
失踪してました。申し訳ないです。頑張って更新はしたいけど失踪もしていたい。そんな感じの2ヵ月でした。頭の中ではかなり進んでるのであとは文字に起こすだけです。……頑張ります。
≪おい、お主、魔力が足らんぞ。しっかりするのじゃ≫
突然聞こえてきた声は俺を依り代にしているヤツのものだった。
「んなこと言ったって、今日は疲れてるんだよ。もう寝かせてくれ」
≪何を寝惚けたことを言っておる、ここはお主夢の中じゃ≫
「そっか、それならいいや」
≪お主、あの2人、どう見るのじゃ?≫
「どう見るって言われてもわかんねえよ」
≪そうかそうか、まだまだじゃの。あいつら、お主より強いぞ。身体能力はお主に軍配が上がるが、魔力量はむこうが上じゃ。≫
「だからといってお前の力は借りない」
≪ちぇ、そうかい。ところで、お主は我が姿はどのように視えるのじゃ?≫
「白いボヤッとした感じだな。羽根が4つあるのは見えるぞ」
≪そうかそうか、我の見え方は我との繋がりの深さを示すのじゃ。もし我が完全に視えるようになったら我はお主を掌握できるようになる。気を付けるのじゃ≫
「ご忠告どーも」
今は出てきてほしくなかった。途中、休憩を挟んだとはいえ、日本から約18時間もバイクで太平洋を渡ってきたのだ。おそらくギネス記録樹立だろう。それでもやはり疲れが溜まっている。おまけに時差が約半日、しんどいったらありゃしない。
朝 (なのか?)、陽の光がないので本能的にも時間がわからない。時差ボケもある。部屋の時計は7時半を示していた。疲れた身体に鞭を打ち、起きあがり、リビングへと向かう。
ミズキが教えてくれたが、此処はシェアハウスと言っても住人同士の協力は皆無らしい。まぁ、個々での活動が主なので無理もないとも言えるだろう。俺は仕方なく冷蔵庫からベーグルを取りだし焼く。会話が全くなく、少し不気味なぐらいだ。
朝食、身支度を済ませてアリスのいる部屋に向かう。道を覚えるのは得意なので迷うことなく到着した。ドアを3回叩く。
「失礼します」
「やっと来たか、待ちわびたよ。まぁ、そこに掛けろ」
とソファに誘導され、座る。
「さて、君のコードネームを考えてみたが、"Loki"に決めた。日本人だから"Susanoo"かなと思ったが、何せ言いにくい。」
ロキ。北欧神話の道化神とかだったっけ。変装とかどちらかというとマジシャンって感じなのだが。
「それではLokiよ、まずはお前には語学、射撃、剣術、柔術を3ヵ月、いや、2ヵ月でマスターしてもらう。語学は英語と、そうだな……、フランス語でどうだろう。まぁ、英語を最優先で頼む。そこから1ヵ月は専門的なスキルを身に付けてもらう。」
「専門的なスキルとは?」
「ポーカー、麻雀、マジック、音楽、料理、掃除、車の運転、セスナの操縦、船の操縦、重機の操縦……。まぁ、こんなところだな、1つにつき3日でピッタリ1ヵ月だろ?」
「いや、普通死にます。無理でしょ。普通に考えて。」
「お前には此処が普通に見えるのか?」
「いや、見えないけど……。そう言う意味じゃなくて!」
「無理じゃねーんだよ、ヤれ。」
「ハイ…」
どうやら過労死になりそうな予定だな……
その日の夜、もう一度長官室へ呼び出された。そこには2人の男がいた。
「紹介するよ。こいつらがお前の仲間になる奴の最後の2人、Zeus、Freyだ。お前の素性は既に話してある。」
片方は巨漢、顔も濃い、それでいて筋肉もゴツい。そして何と言っても隻眼というところが恐さを10倍にしている。
そしてもう片方は背は小さいものの、威圧感がある。恐らくこちらがZeusだろう。金髪で蒼い目。それにしてもどうして2人とも動かないのだろう。何1つ話そうとしない。そう思った矢先、2人が消えた。足下にボールが2つ、ピン球程度の大きさだ。こちらが質問する前に答えてくれた。
「それは私の能力の応用だ見えているものを映し出す魔術道具。そうそう、この魔術工学をちょっとかじってもらうからな。」
「はぁ…。」
もう反論する気が失せた。
「それと、プレゼントだ」
渡されたのはジュラルミンケース3つ。中には拳銃、短剣といった武器から、PC、パスポートなどといったものまで入っていた。
「拳銃はベレッタとシグザウエル。日本式とアメリカ式の両方取り寄せた。好きな方を使うといい。ちなみに、強化プラスチックにより身体検査に引っ掛からないようになっている。それじゃ、訓練がんばりたまえ。」
「了解」
「あ、そうそう、伝え忘れていたよ。日本はマグニチュード12の地震で各地で震度7を記録、それにより、阿蘇や北海道のカルデラ火山の噴火で地形が変動、日本は終了した。」
「他国への影響は?」
「たまたま近くで行われていた高位魔術師達のサミットでたまたま組み上げていた禁忌指定の封印魔術で日本を他国と遮断することに成功。日本上空3kmは障壁があって通れなくなったそうだ。貿易面では先進国が扶助することでカバーした。たまたまスムーズに決まったそうだな。」
ふと天を仰ぐ。神になんて祈っても意味なんてないのに。少ない期間ながらも仲良くしてくれた人達、校長。なんだか胸に大きな穴が空いたみたいだ。俺はケースを持って足早に出ていった。
部屋に戻ると何故かミズキがいた。しかも俺のベッドで寝ている。こういう場合はどうするのが正解だ?ここ2日の間、話をしていない。まぁ、そっとしておいてやろう。そう思い机に目を向けると1枚の紙があった。そこにはミズキの筆跡で『公私混同しない! 追伸、他国語を学ぶ際にはその国の地理を覚えるべし。会話には固有名詞が沢山。』と変な蛇の絵つきで書いてあった。
「了解したよ、ミズキ。」
それだけ言って俺はケースを開けて拳銃を取り出し、構える。それを1時間位していただろうか。気分は中二だな。長いものを持ったら振り回したくなるのと一緒だろう。それにしてもミズキは全く起きる気配がない。仕方ないので椅子で寝ることにした。
それから3ヵ月。俺は何とか与えられたメニューをこなしてみせた。
「準備はいいな、Loki」
「もちろん」
「行き先はブリテンだ」
「えっと、ドッキリですか?」
「いや、お前にはもうバレてるからそう言うのはなしだ。最初からガチで行く。」
「ほぉ」
「期間は無期限、だが、1年以内が望ましい。定期的な報告は要らない。向こうでの判断は全てお前に任せる。出来るな?」
「Yes my pleasure!」