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カラオケボックス

 僕達5人は、19時にカラオケボックスに着いた。部屋は意外と5人にしては広い部屋になった。

 早速、部屋に入るなり健吾はマイクをとって歌いだした。僕達は、ボックス内にあるタンバリンやマラカスでリズムをとり盛り上がっていった。健吾が歌い終わると次は池神が歌いだした。

「どうやったか?俺、歌上手かったやろ?」

「うん!本当に上手だね!」

「やっぱ、俺は何しても様になるな。あ、そうや。悟、一緒にジュース買いにいかんか?」

「いいよ。」

僕は、すんなり返事をした。

「じゃ、行こうか。皆、俺達ちょっとジュース買いに行ってくるから楽しんでてな」

僕達は部屋をでた。


そして、自動販売機でジュースを買って僕は、部屋に帰ろうとした。

と、その時健吾は僕の腕を持ち引き寄せ、キスをしてきた。

僕は、びっくりした。

「ちょっ…健吾どうしたの急に?」

健吾ぱちょっと切なそうな顔で僕に言った。

「最近、お前を見ていると心配になってくるんだ。実は、俺のこと遊びなんじゃないかって……それで、不安になって……」

僕は、健吾がこんなに僕のことを思ってくれていることに、とても嬉しく思った。

「そんな…遊びなんかじゃないよ。本気で健吾のこと好きだよ」

「……本当か、悟?」

「うん、本当だよ」

僕は、そういいながら健吾にそっとキスをした。そして、健吾に僕は言った。

「遊びだったら僕からこんな事しないでしょ?」

「そうだな。ありがとう悟」

そして、僕達は部屋に帰っていった。


 この時誰もいないと思って、健吾にキスをしたがそれは大きな間違いだった。ちょうどその場面を、一緒に来ていた三守さんと、別の部屋で歌っていた学園の化学講師、新塚徹にいづかとおるが見ていたのだった。

 これが、ばれる原因となってしまったのは言うまでもない。



 そんな事も知らずに、僕達は部屋に帰り着いた。ドアを開けると、池神が熱唱していた。

「おっそーい!一体何してたの?たかが、ジュース買うぐらいでこんなに時間がかかってさ!こっち三守が途中で帰って池神と2人しかいなくて、淋しかったんだから!あっ!もしかして、2人出来てるんじゃないの?」

咏希さんが少し怒りながらも冗談を言ってきた。

僕達は一瞬、咏希さんが言った言葉に『ドキッ』とした。でも、素早く健吾がフォローしてくれた。

「何言ってんだよ!大体、俺達男やで!もし、付き合ってたとしても成績優秀の悟と俺が釣り合うと思うか?」

「そうだよね。成績優秀の神口と超大馬鹿の石川とじゃ、おおいに釣り合わないわね!」

「そうだろ。って、咏希お前、大馬鹿は余計じゃないか?」

「あら、そう?見たまんまのことを言ったつもりなんだけどね」

咏希と健吾が騒いでるとき僕は動揺していた。でも、動揺しながらちょっと、三守さんの事が気になった。なんで、突然急に帰ったんだろう……僕は、理由を聞くため池神が歌い終わるのを待ち池神に質問した。

「ねぇ、池神。なんで、三守さん帰ったの?」

池神もちょっと疑問に思いながら教えてくれた。

「あぁ、なんかさっきお前達がジュースを買いに行った直後に三守もトイレに行ってくるって出ていったんだ。そしたら、帰ってくるなり、『私、用事思い出したから帰る』って言って帰ったんだ」

「そうなんだ…」

「あっ、でもな、トイレから帰ってきたとき動揺してた様に見えたんだ。なんか、あったんかな?まっ、どうでもいいや!歌おうぜ神口!あっ、それといい忘れたけど、化学の新塚が来てるらしいぜ。咏希が見たって言うんだよ」

と、突然咏希さんが僕達の会話に入って来た。

「そうなのよ!あの化学の新塚が来てたんだよ。彼氏から携帯に電話があったから廊下に出て電話してたら、新塚が歩いてるの見ちゃって。私、新塚嫌いだから見つからないように隠れたんだけどね」

僕は、咏希さんの話を聞いてちょっと不安になってきた。

僕も苦手な講師で、29歳で独身の講師だ。

僕は、入学してきた当初から目の敵にされてる為に苦手になったんだ。

その講師が一緒にいる。ということは、もしかしたらあの事が見られているかもしれない。ましてや、三守さんにも……

そのため僕は、不安になった。一気に血の気が引いた。その様子をみていた咏希さんが声をかけてきた。

「ちょっとどうしたん?顔色悪いよ、神口」

「う、ううん。何でもないよ……」

僕は、咏希さんに動揺がばれないよう平静を装って答えた。


 それから僕達は、1時間位歌って、カラオケボックスを後にした。その時、空は真っ暗だった。

時刻は、21時20分を差していた。

僕達は、池神と咏希さん、僕と健吾で分かれてそれぞれの家路についた。


 僕達は歩きながら他愛もないことをはなしていた。そしたら、健吾が僕に質問をしてきた。

「悟、途中から元気がなかったけど、体の調子でも悪いんじゃないのか?」

僕は、やっぱり健吾に話しといた方がいいと思い重い口を開いた。

「別に何もないんだけど、ただ……」

「ただ、どうしたん?」

「ほら、カラオケに行った時化学の新塚講師がいたって言ってたでしょ?それに、三守さんも途中で帰ったから、もしかして僕達がしていたことを見られていたんじゃないかって……」

「俺達がした事って?」

「廊下でキスしたこと」

「あぁ、あのことか。別に悟、その時誰もいなかったんだろ?」

「うん、そうだけど……してる時は、周り見えないから…もしかしたらって……」

「大丈夫だって!もじ見られていたとしてもその時は、俺が守ってやる。だから、安心しな!」

健吾は、元気に僕にこう言ってくれた。

僕は、とても嬉しかった。

僕達は、そのまま帰路についた。

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