僕と健吾
この話には、ボーイズラブの要素が含まれます。苦手な方は遠慮願います。
僕、神口悟は報徳進学園に入学してから1年と半年が過ぎようとしていた。
そして、僕には彼氏もいた。
そう、僕はいつのことからか男を好きになっていたのである。
彼の名前は、石川健吾。
僕と同学年でクラスも同じ1つ年上のちょっと不良が入った男子である。
彼と出会って3ヵ月になるが、クラスメイトは僕達の関係には気付いていない。むしろ、この関係がばれたりしたら、多分学校を退学させられるかもしれないから……
そのため、僕達は密かに放課後や夜、デートをしていたのである。
彼との出会いは今でも頭の中に鮮明に残っている。
それはとある放課後のこと。
僕は委員会のやる事が少し残っていたため1人教室に残っている時『ガラガラ』とドアの開く音がした。僕は、顔をドアの方に向けてみると、そこに立っていたのは今の彼氏である健吾だった。
僕は、(嫌だなぁ〜)と思った。
その頃の健吾は、万引き・恐喝は当たり前で、何度も警察の人に世話になっていたんだ。
そんな健吾が僕に近づいてきて声を掛けてきた。
「おまえ、なにしよんの?」
その頃の僕は、健吾とはあり関わりたくなかったので冷たい態度をとって言葉を返した。
「別に委員会でやる事が残っているからそれを片付けているだけ。」
後から聞いた話だけど、健吾はこの時告白をしようと心に決めて僕に声を掛けたらしい。でも、僕が冷たい態度をとったものだから半ば諦めていたんだって〜。
でも、あの時ちゃんと告白をしてくれたんだから今の僕達があるんだけどね。ある意味、健吾に感謝しなくちゃね。
「ふ〜ん、そっか。ところでお前今彼女とかおるん?」
「別にいないけど……」
「おらんのや。なんで?お前もてそうやにな。彼女作る気ないんか?」
「別に今彼女とか作りたいと思わないし。」
それを聞いたとたん、健吾が僕の目の前に立って真剣な顔でこう言ったんだ。
「俺、お前のことが好きなんや!!!」
僕は、この言葉を聞いたときビックリしたというか頭が真っ白になった。そして、ふと冗談だろと思った。
あの毎日女遊びをしてそうな健吾が何で僕に告白を?男である僕に?
そんな事を頭で思っていると、健吾は僕の顔の前に顔を突きだしてきて、突然キスをしてきた。そして、健吾は何も言わずに走って教室を出ていった。
その時、僕は何が何だかわからなくてパニックになっていた。
でも、健吾が
「お前のことが好きなんや!!!」と言った時の真剣な顔。まだ、ほのかに僕の唇に残っている健吾の唇の感触。それから僕は、健吾をよく目で追うようになりその時の事を思い出しては笑顔がこぼれていた。たぶん、僕は段々と健吾にひかれていき後々OKの返事をして今にいたる。
けど、こんな僕達にある事件が起こった。
2人の関係がばれたのである。