霊病
今日は休日ね。沙希は予定があるって言ってたし、家には誰もいない。父さんが亡くなってからずっと独りだから慣れたけど。
態々慣れない外に出かける気はしないし、何時ものように適当にネットでもやってようかと思ってたら
ピンポーン
夜帋
『どちら様ですか?』
急いで玄関に向かう。もしかして玖音辺りが来たのかも知れない。沙希から家の場所を教えられててもおかしく無いわ。
ジェラ
『俺はジェラ♪おねーさんが夜帋さんだよね♪』
何か訳のわからないテンションの子供がそこに居た・・・。どう反応すればいいのか解らないわ
夜帋
『何しに来たの?』
ジェラ
『俺は確認しに来たんだよ♪間違ってはなかったみたいだけどね♪』
確認?何を確認しに来たのかな。って、そうじゃなくて。この子はいったい何なのよ、父さんの関係者かと思ったけど小学生にしか見えない事から年齢的に流石に無いと思うし、意味が解らないわ
夜帋
『ふざけた事を言ってないで、早く家に帰りなさい』
ジェラ
『俺は知ってるんだよ♪我雪の事も夜帋の事もね♪本当の意味で夜帋は夜帋じゃないって知ってるよね♪』
夜帋
『何を言ってるのか解らないわ。嘘をついても意味無いわよ』
この脳波の反応は嘘ね。何でこんな嘘をつく必要があるのか解らないけど、不快でしかないわよ。
ジェラ
『アハハ♪もう一人の自分と仲良くしてね♪』
ジェラ君の脳波が変動していく?えっ、ちょっと何これ、目の前が真っ暗に・・・。
・・・
ピピピ!ピピピ!
夜帋
『うーん?』
いつの間に寝てたんだろ?あっ、時間がヤバイ。早く学校にいく準備をしないと
??
(学生は大変ねぇー?遅刻するわよぉ)
夜帋
『解ってるわよ・・・。って、いったい誰!?と言うか何処にいるの!?』
何処からともなく声が聴こえてきた、周りを見渡しても誰も居ない。もしかして幻聴?そうよ、幻聴よね
??
(幻聴じゃないわよぉ。気がついてるでしょぉ?あなたの頭の中にはもうひとつ思考回路が組み込まれてたことにぃー)
まさか、アレがこいつだって言うの?何かヤバそうな奴じゃない!本格的にあの機械を復元しないといけなくなったわね
夜帋
『早く普通の人間になりたいわ・・・』
??
(あの機械は悠一君しか作れないわぁ)
まさか三人の天才の内の一人の作品だったの!?しかもあの人って、何か失踪してるじゃない!そもそも、三人とも行方不明よ!
夜帋
『・・・。まあいいわ、学校に遅刻しそうだし』
走って学校に向かう。引きこもりだけど、それなりには体力あるわよ。沙希ほどしゃないけど
何とかギリギリで教室に到着。何か教室の雰囲気が違うわね、何かあったのかしら?
悼谷
『夜帋、やっと来たのか』
夜帋
『何かあったんですか?やけに静かですけど』
悼谷
『その原因はお前だよ。何を言ってんだよ』
えー、私?何かをした覚えは無いんだけど。もしかして、遅刻してた?
夜帋
『遅刻してスミマセン』
悼谷
『違うだろ。これを見てみろよ』
それは、私がパソコンで作ってみた論文のようなもの。色々と調べで推測を重ね合わせて作った偽造も良いところのやつ。主に英紫美和の研究について、特に抗老化薬などの生物学に関するものを兎に角調べていた。
夜帋
『一帯で何処でそれを?』
パソコンはセキュリティもしっかりとしてる筈だし、そのデータを入れたファイルは特にロックをかけていたのに
悼谷
『学校にメールで届いたらしいぞ、知らなかったのか?』
夜帋
『知りませんよ・・・』
悼谷
『そんなことはどうでもいいか。夜帋、この学校の教授にならねえか?』
何これ。予想外よ・・・