束病
沙希
『夜帋ー、ちゃんと友達が出来るように頑張りなさいよ』
学校の帰り道。確かにまだ巧く馴染めたと言えないけど
夜帋
『沙希は知ってるでしょ?私の能力』
沙希
『やっぱり気分よくないの?その嘘発見機』
私は相手の脳波を見ることができる。その脳波の反応から嘘をついているか本当の事を言っているのかが簡単に解る
夜帋
『コミュニケーションは真実だけではうまくいかないのよ。嘘を上手に紛れ混ませるのが上手なやり方なの。私は嘘を見るのも気分良くないし、この事を伝えても信じてくれないし。もし、信じてくれても沙希みたいなのじゃないとやりにくいわよ。相手だって嘘を見つける相手とは話しにくいだろうし』
沙希
『オフとかに出来ればいいのに』
夜帋
『私はロボットじゃないんだから』
はあ、英紫美和の研究所が残ってたらこんな能力だって削除出来たのに、火災で焼けちゃったし、本人は失踪中だからどうにもならないわ。
沙希
『友達ができなくても、あたしがいる限りは安心して!変な奴はボコボコにしてあげるから』
夜帋
『問題だけは起こさないでね』
今日はまだ明るい。晴れてて春の陽気で暖かい。あの教授は話通りさっさと終わらせてしまった。初日なんてこんなものだとは思うけど。
沙希
『あー、夜帋。見て見て』
沙希が指差す先は居酒屋。こんな昼間から居酒屋に居るなんてろくな人じゃないわ。
30代くらいの女性と、中学生かな?なんか口論してる。
??
『泰架ぁー。まだまだ飲めるわよぉー』
泰架
『飲めるとかそう言う問題じゃないよ!早く学校に向かうよ!』
??
『どうせどうにもいかないのよぉー。勝手にさせてよぉー』
泰架
『鳴弦さん!校長に怒られるよ!って、既に怒られる状況だよね。これは』
鳴弦
『なんなのよぉー・・・。なんもかんもうまくいかなくて・・・、あげくの果てに皆から応援されるこっちの身にもなりなさいよぉー・・・』
泰架
『凄くダサい・・・。じゃなくて、元気だしてよ』
鳴弦
『ウッ・・・。ウェー・・・』
泰架
『こんなところで吐かないでー!』
うん。話を聞く限り関わりたくない人達ね
夜帋
『あの人達とはあまり関わりたくないわよ』
沙希
『あー。関わることになるわよ。確実に』
嘘はついてない・・・。えー