表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/9

またやるらしいよ、晩餐会

そんなバックグラウンドがあるわけで 国王ご夫妻は、本気で心配していました、息子の縁談を。


国外から話がない訳じゃないんですが、どうも 息子は 不人気物件らしい。…親の欲目をもってしても もっと 高く売れてもいい気がするんだけどなあ? 旨味のない話ばかり来ます

「国内で募った方が 手取り早いかもなあ」

「貴方、ここは 合コンよ、合コン」

というご夫妻のご意向もある訳で 四半期に一回の晩餐会を 今回は 盛大に行うことにしました。

てゆーか、毎回 盛大なんだけどね?




「王家も懲りずに よくやるよね~ 嫁探し晩餐会」

そんな国民の声も聞こえちゃったりする、王城直下の城下町、街角の会話は 今日も 活気に溢れています


「何年連続で続いてるんだっけ? ここまで 続いてるとさ~

逆に『俺はモテないんです』って言ってるようなモンだよね~」

あっけらかんと笑い声を挙げたのは、冒頭でお話した 例の娘

町娘みたいな姿と口調ですが 元は、資金潤沢な商人系貴族の前妻の忘れ形見


「オジョウさんだって ホントは 行ってもいい身分なんだろ?」

油屋の親父さんがチャチャをいれる。一発逆転玉の輿のチャンスじゃないか、と 豪快な笑い声が響く

「いやよ、そーいう柄じゃないのよね~ 」

娘は 応じて軽く笑いました

「王子様とやらに 同情してるくらいよ? アタシ。

だって 見る人がみたら 売れ残りの特売品評会の万年『目玉商品』扱いでしょ?

そんなん扱い受けてる男に会いに行くなんて、気の毒だわ」

そりゃ 考えすぎだろうけど、と親父さんは また笑いました




そんな 褪めた国民がいる一方で その縁談にすがりたい国民もいるわけで。


娘が家に戻ると 「(いや、それは無理でしょう)」と言いたくなる風景が広がっていました

先程の娘の義理姉妹たちが お互いのコルセットを締め合っていました

顔は真っ赤になり、紐を引き上げる手は 赤を通り越して 白くなっています

「矯正下着を上手く活用すれば、見た目体重 5キロマイナスも夢じゃないわ」

頑張るのよ、と声を掛け合いながら 鼻息が荒くなっています

いやだなあ、こういう風景… 娘が思う矢先に

「なにも王子じゃなくてもいいから、イイ男的なものを 引っ掛けられれば ~ 」追い討ちをかけるかのような、継母の一言


現実って嫌ね~

それと、本番までに コルセットが壊れなきゃいいけど。


そんなことを思いながら、娘は 夕飯の支度をしようと 台所へ向かったのでしたとさ




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ