そんな『シンデレラ』もあってもいいでしょ?
昔々、あるところに よくあるタイプの貴族の家がいました。
ホラ、歴代由緒正しく続いて、地方に色々 荘園があって ある程度の固定収入があるって感じの。
そこに、父親不在の母子家庭がありましたとさ。
意地悪な母親と性格のひん曲がった娘三人と 待遇が下がった正妻の娘。
父親は、働き盛りの頃に 流行り病で呆気なく昇天。
後妻一家が 幅を利かせるこの頃ですが、前妻の娘は こんなところで、ヘコたれるはずがなく。
地下室に 身ぐるみ剥がされて 放置されようが、
「ドレス着なくていいなんて、ホント清々!」
「コルセットなんて 毎日やってたら 死ぬから!! 」
なんだかんだで 毎日をエンジョイしていました。
一方 このときのこの国のロイヤルファミリーといえば。
一番の注目株は、妙齢年頃の王子様。
これが、また… 王家最大の注目株ですよ。よくも悪くも。
絶世の美女と称えられた王妃様の美貌を すっかり受け継いだだけあり、顔だけは恵まれた王子サマでしたが。
「先日依頼した文書は まだ出来上がっていないのか? 早く出せ!」
「ここ、計算違う。 試算自体が間違えると、最終の目測も違うことになる。やり直しだ」
「何故 今更 そんな報告があがる? 職務怠慢の恥を知れ! 」
大臣を始め、役人たちからは、「天使の顔した閻魔大王」絶対的に恐れられるストイックな王子様でした。
仕事は、本当に…中毒ってくらいするし、実際 判断も決断も正しい
武芸やらせても そこそこ出来ちゃう。
ダンスもお絵描きも 野営での夜食作りまで パーフェクトに出来ちゃう
なーのーに!「なに? フツーは 出来ないだと?」天才秀才過ぎるトップの下は スッゲースッゲー大変な訳で。
まあね、国力自体も上がってきたけどね、でもね?
親父殿である王様も、年追うごとに悩んでいました。
「頭も良く、出来た息子だがなぁ」
愛する長男坊は、三度の飯より仕事大好き、お昼寝・早寝・夜更かしよりも、仕事大好き。
「オナゴに興味がないのか。」
いやいや それで済むならいいですよ。
王妃さまは 嘆くように言いました
「興味があっても、あの息子を愛して包んでくれる、出来た御嬢さんがいるかしら」
老いたご夫妻は、贅沢な悩みと思いつつ 自分たちの老後の楽しみ「孫をだっこ」「出来れば、男子希望」を ものすごーく心配していました。
はいっ!
登場人物の紹介、終わりっ
次から本編いきまーす