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王妃の秘密  作者: 睦月
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ご無沙汰致しております!!

更新がずいぶんと遅くなってしまい申し訳ありません。

今後も亀更新となる可能性が大ですが、お楽しみいただければ幸いです。

「おかえりなさいませ」


その夜、夫婦の寝室へ戻ってこられたクラウス様を迎えると、部屋に入った途端抱きしめられた。


「・・・昨日はすまなかった。まさか、あのように誤解をするとは思ってもなかった」


その言葉に私は慌てて首を振った。


「いいえ!!私こそもうしわけありませんでした。・・・私もその場でちゃんと聞いていればよかったのです。それをまた自分一人で抱え込んでしまって・・・。結局、クラウス様のお手を煩わせてしまいました・・・。ごめんなさい」


クラウス様の腕の中で私は頭を下げる。といっても、やはり限られた動きしか出来なかったのだが・・・。


「・・・私たちはまだ夫婦をやり直し始めたばかりだ。お互い心の中に思ったことをとどめるのではなくちゃんと話あおう。そして、本当の夫婦になれるよう努力しよう」


そう言うと、ふと目の前に影ができ唇を塞がれた。

そう、私たちは夫婦としてやっと動き始めたばかりなのだ。

これからはちゃんとお互いの話をしよう。

クラウス様の暖かい唇が離れると、お互い自然と目が合いニッコリと笑った。



*************************************


横に眠るクラウス様の寝顔を見ているとなんだか心が暖かくなる。


「・・・・ん・・・・もう、朝か・・・?」


「はい。・・・起こしてしまいましたか?」


眠そうに目をこすりながら体を起こすクラウス様。


「いや・・・。おはよう」


そう言うと、クラウス様は私の額にそっと唇を当てた。


「・・・おはようございます」


「よく眠れたか?」


クラウス様が何気なく聞いたその言葉に私は眉を寄せた。


「どうした?眠れなかったのか?」


私の様子を見逃さずそう言ってくれたクラウス様に私は小さく頷いた。


「実は、変な夢を見たのです」


「変な夢?」


「はい。私がリアーシャ様になっている夢です」


「それは、ジュリアがリアーシャの振りをしていた時の夢ということか?」


つい最近までそれで悩んでいたのだから、クラウス様がそう思うのは無理のない話だった。


「いいえ。それが、そうではないのです。まだ、幼い・・・。子供の頃の事です。なんと言えばいいのでしょう?私がリアーシャ様の気持ちになっているというのでしょうか?例えば、城の一室で家庭教師に怒られていて、怒られたことで悲しい想いをしているのが私なのです」


昔、リアーシャ様が泣きながら私に話してくれた事があった。

作法の時間だった時の事だ。先生の言われるとおりにやろうとしても上手くできずそれを叱られてばかりいたと。

思うとおりにできないご自分に腹が立ち、思わず涙を流してしまったのだと。

その時の事が夢に出てきた。しかも、それはリアーシャ様の姿をしているのにその悲しみは私が感じていることだった。

それを、クラウス様に話したのだけれど、クラウス様はそれを聞くとにっこりと笑った。


「きっと、それは昔の事を思い出してリアーシャが言っていた気持ちを自分のものと置き換えたんだ。そういうことはよくあることだ。気にしなくてもいい」


そう言うと、クラウス様は再び私の額に唇を落とすとベットから抜け出し身支度を始めた。


「・・・そうですね・・・」


クラウス様の言葉に少し引っかかりを覚えた。あれは私が感じたように思えた。

いや、やはり所詮夢だ。クラウス様の言うとおりきっと昔の事を思い出してリアーシャ様の言葉を私の気持ちと重ねてしまったのだろう。

その事にいつまでも気を取られていたら、クラウス様はいつのまにか身支度を終えていた。


「あまり気にしなくてもいいと思うよ。悪い夢ではないのだし。では、私は行ってくるよ」


クラウス様を見送るためにベットから下り部屋の扉の前にたった。


「お仕事頑張って下さい。いってらっしゃいませ」


クラウス様は私の口に軽く口付けると部屋を後にした。

・・・なんだか、今日は朝から口づけを交わす回数が多いような・・・・。

熱くなった頬を覚ましながら私も身支度をするため、エリーナを呼んだ。


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