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The Chess  作者: 今日のジャム
How to Chess
6/259

How to Chess 6

7.リン・アーデン


 ここで少し、チェスの歴史についてふれてみましょう。

 チェスはもともと、二千年くらい前から西大陸を中心に発達したゲームです。

 遠くいにしえ、西大陸では、一人の王が大陸の全ての国の盟主となった時代がありました。

 彼はどの書物でもたいてい青年王と呼ばれています。

 青年王を王位につかせて、王の偉業を支えたのは、紅目白髪の不老の魔術師でした。

 かの者の名はリン・アーデンといい、“アルビノの魔術師”という呼び名で有名な、歴史上で最も強大な魔力を持った魔術師でした。

 青年王が西大陸に均衡をもたらした時、リン・アーデンは、年に一度、西大陸に当時百五十あった城の王や領主たちが参加する、武術や魔法を使うゲーム形式の練習試合を作り上げました。

 このゲームは、八×八の市松模様の盤と三十二の駒を使う、西大陸では古くからある一般的なボードゲームを元にしていました。

 しかし盤上のゲームとは少し違って、プレイヤーは三十二人おり、参加者は自由に自分の冒険ができるのでした。

 これが“チェス”です。


 かの魔術師は、このゲームに、いくつか不思議な魔術を施しました。

 その代表作は、“騎士も他国では桃尻になる”です。

 ポーンは、誰にでもなれる職業です。

 例えば、もともと騎士だった者も他国出身であれば、ポーンとしてチェスに参加できます。(ちなみに、ナイトになることができるのは、自国の騎士のみです)

 今まで乗馬が得意だったそのポーンの騎士は、ゲームが始まると、どんなに心が通じあった愛馬であっても落馬してしまいます。

 これは、アルビノの魔術師の編んだ魔術のためだといわれています。

 もちろん、ゲームが終わるか、その騎士のクロスがなくなると、元通りになります。

 不思議な魔術は、まだこの他にもたくさんあると言われていますが、全てゲーム自体を公平にするものか、もしくは何の害もありません。

 チェスプレイヤーたちは、魔術師の施した魔術を探求し、それに遭遇することも、冒険心をくすぐる一つの楽しみとしています。

 余談ですが、たいてい他国の騎士がポーンになった時は、その騎士はゲームの間ずっと愛馬とともに、徒歩で旅をするのがほとんどだそうです。


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