XⅣ 僧侶と魔女 4. 星霜院の魔女 2
ピアスン・ワトソンは王城の西塔へ行った。そこには青い髪の僧侶が休んでいた。
「マーブル!!」
ピアスン・ワトソンは僧侶に飛びつくように飛んで行った。
「ワタ、試合で勝ったぜよ! マーブルのおかげぜよ! お礼を言っても言い足りないぜよ! もしワタが魔女じゃなく、マーブルが僧侶じゃなかったら、求婚していた所ぜよ!」
子ども魔女の喜びに、マーブルは微笑んだ。
「良かったですね」
「これは、ワタの記念の品ぜよ。受け取ってぜよ!」
そう言うとピアスン・ワトソンは黒いボールをマーブルに渡した。
「これは普通の人が使うと、ただ宇宙が見渡せるだけぜよ。きれいだから使って欲しいぜよ!」
マーブルは戸惑いながら、ピアスン・ワトソンの大切な品を受け取った。
「マーブルが大変なことがあったら、この宇宙を見てワタのことを思い出すぜよ! ワタとマーブルは一生の友達ぜよ! これからもワタは王城へ遊びに来るぜよ!
ワタたちが大きくなって大人になって、王様を宇宙へ送る時が来たら、大僧正と星霜院の館の長として一緒に王様を見送るぜよ。そしてその時今年のチェスを語るぜよ!」
マーブルはピアスン・ワトソンの気持ちを受け取り、答えた。
「はい。分かりました」