表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
The Chess  作者: 今日のジャム
XⅢ-ii 余韻と休息
226/259

XⅢ-ii 余韻と休息 (8月29日) 1. 休日出勤

 利用者のいない館内に一人、探し物をする人物がいた。八月二十九日。月に一回の休館日。蔵書さえも息をひそめて静かに過ごす中、館長リアルは三階一人掛けの籐椅子が海の見える窓側に面して並ぶエリアで、その背面に並ぶ観葉植物の鉢植えの一つにかがみ込み、根元の土を手で掘り起こしていた。


「多分、ここら辺のはずなんだけどっ……!」


 土を掘り起こしても探し物は発見できず、隣の鉢植えに移動し陰に落し物が無いかをチェックし、再び土の中を探すことを繰り返した。盗まれて紛失したクロスは、館内のどこかにある、ということを知っているリアルは、人のいない時間帯などに館内を植木鉢の土の中まですみずみ探し続けていたのだった。


「赤の都のそばの大教会なら、大図書館ではこの場所が相対するんだけど……」


 エリアの隅の植木鉢まで来た時、土の中から銀色の鎖が見付かった。それをそっと引き出すと、白石の飾り石が嵌め込まれたクロスが現れた。リアルは安堵した。


「やっとだわ……」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ