How to Chess 2
2.プレイヤーの選出
紅白二国は、円卓会議で参加が決まると、チェスの始まる一月前の七月までに、各々十五人のプレイヤーを選出します。
この十五人に、その国の王を加えた十六人が、チェスのプレイヤーです。
この十六人のプレイヤーは、ゲーム上の役割分担によって、六種類の“職業”に分かれます。
その六種類の名称と人数を列記すると、
・ポーン 八名
・ナイト 二名
・ビショップ 二名
・ルーク 二名
・クイーン 一名
・キング 一名
となります。
プレイヤーの選出方法は、職業によって、それぞれ異なります。
ルーク、ビショップは、その国の者の中から、その職業が属する組織が単独で選びます。
ルークの場合、王城守護魔術師と呼ばれる、王家直属の魔術師団の中から、最も優れた者が二名選ばれます。
またビショップの場合、その国の教会組織の中から、若い大僧正候補が、同じく二名選ばれます。
クイーンの選出条件は“王家の女性”です。クイーンになれる者は、その国の女王ではなくてもよいとされています。
このルーク・ビショップ・クイーンの五人は、ナイトやポーンよりも先に、王城内で選考されます。
そして五人は、ゲームの初期段階では、ナイトとポーンの選出に関わったり、オープニングの戦略を考えたりと、王のブレーンとして働きます。
ナイトとポーンの選出については、その国の気質や、どんなゲーム展開にしたいかによって、それぞれの国で変わっていきます。
国内で大々的な選抜大会を行って、勝者がナイトやポーンになる国もあります。
推薦でプレイヤーを決める国もあります。
その場合ポーンなら、チェスに参加したい者が、町の教会に申し込みをし、町の僧侶がそれを王都に伝えます。
そして、王とブレーンたちが会議を開いて、候補者たちの中からプレイヤーを選びます。これは自己推薦の方法です。
ちなみに、申し込みをする教会は、自分の参加したい国の直轄領や同盟都市、または緩衝都市内の教会となります。
他にも王とブレーンたちが、これと思う人にチェスの参加を要請する他己推薦の方法もあります。
またナイトの推薦の場合なら、その国の誉れ高い優秀な騎士が、王城内にて推挙され、プレイヤーに叙任されるということもあります。
こうして選ばれたプレイヤーたちには、チェスの始まる一ヶ月前までに、王城からの使者が、本人に参加確認をします。
この使者の役目は、通常ビショップが行います。
そうしてプレイヤーになった三十二人は、チェスが始まる八月一日、ポーンと王都にいないナイトは町の教会から、その他のプレイヤーは王城で、早朝、駒のクロスと、参加者の一覧表と、地図が描かれた巻物を手渡されます。
ここからチェスが始まります。