ネイルカラー完成からの
そこから伯父とリュカお兄様達と知識やツテを総動員し、ネイルの開発をおこなった。
前世の記憶があるとはいえども、こちらの世界とイコールになるのかと言えばそうでもなくて。
試行錯誤しながら完成までなんと3年の月日を要し、私は11歳になっていた。
「やっと出来上がったのね…!」
「あぁ、ミラが前世で使用していたものと相違ないかい?」
「相違ないどころか上回る最高の出来よ伯父様!」
「そうかそうか、良かった良かった!」
そう言うと伯父様は豪快に頭を撫でてくれて抱きしめてくれた。
あぁ達成感てなんて気持ちが良いのだろう。でもまだこれはやっとスタート地点に立てたに過ぎない。ここから"ネイル"というものを広めていかなければならない。誰もが知っているものとするためにはまだまだこれからの頑張りが必要なのだ。
「ミラ」
「なぁに?リュカお兄様」
兄は出来上がった物とは別の箱に大量の地味な色のネイルカラーと小さくキラキラ光る石を持ってきた。
「なにこれ?」
私は一粒手に取る。ん?なにこれスワロフスキー?ネイルカラーを作ることに専念してたけど、さすがリュカお兄様、装飾品をももう考えてたのかしら?それにしてもなんでこんな地味なカラーが沢山あるの??
私が一粒手にとって頭の上にハテナを浮かべながら眺めているとまさかの返事が返ってきた。
「それは高濃度の魔石のカケラだ。扱いを間違えると爆発するぞ」
は?爆発?
私は青くなりながらそっと箱に戻す。
「な、なんでそんな危険なものを?」
「騎士団達が魔獣と戦っているのは知っているよな?それと僕たちは魔法が使えたとしてもその魔力量は無限ではない。人によって差があるものの、魔力切れを起こすものもいる。騎士団は一度討伐に出かけると何ヶ月、下手したら年単位で帰ってこないのも知っているか?」
「う、うん」
「騎士団は戦いの中で魔力切れを起こす者もいる。回復に特化した者がもちろんいるが時には追いつかないこともある。そのためこういった高濃度の魔石を持ち歩くんだ」
「うん、でもそれがネイルと何の関係が?」
「この魔石はいざ戦いの時に魔力がキレそうになったときに使うが、魔石は袋の中やポケットの中にしまっている。つまり緊急時に即座に使うのは難しいということ。だからと言って最初から手に持ち歩くわけにもいかない。ならば最初から手につけてしまえば?とな」
私はネイルは女性だけのものと思っていたので、まさかこの世界でそんな使い方もできるかもしれないなんて夢にも思わなかった。
「おおお!リュカお兄様さすがです!あ、でも使い方間違えたらば、爆発するのでは?」
「魔石自体だけでは爆発なんかしない。ただの石ころと同じだ。そこにどう魔力を込めるのかが問題なんだ」
あ、なんだ。そう言うことか。びびっちゃったじゃん!
「そこでこれからミラには騎士団が実践に使えるよう改良を加えてほしい」
「……えっ!」
「なんだ?不服か?」
「あ、いやいやいやいや、私なんて魔力ほぼないですし、騎士団で使えるようなものを作るにはその、力不足というか、あの、実践も交えないととも思いますし、その」
「大丈夫だ、そのためにうってつけの人物を用意してある」
さ、入ってとお兄様が手招きしている。
はや!さすがすぎて言葉になりませんよリュカお兄様…。でも騎士団?あ、なんだ騎士学校に行ってるアシルお兄様がいるじゃない。騎士学校って基本寮生活だし長期休みにならないと帰ってこないからすっかり忘れてたわ。身近にいたのにごめんねアシルお兄様。
私はてっきりアシルお兄様が入ってきたのだと思い
「それならば全力を尽くさせていただきますわ。アシルお兄様がんば……」
と振り返った先には全くもって予想していなかった人物が立っていた。
「紹介しよう。ノアイユ侯爵家子息のアクセル君だ」
ファンタジーの世界なので作成工程はサクッと