家族総出でミラと認めてもらいました
この状況が飲み込めずにアタアタとする私。
そして抱え込まれたリュカお兄様の顔を見る。うん、なんだろう、何故だかわからないけど全然安心できない。
めっちゃくちゃ笑顔が逆に怖い。
「お父様、お母様、先程話したことが全てです。私とミラはこの通り契約を結びましたのでこの話に虚偽がないことを証明いたします」
ん?あれ?お兄様もう他の家族に話しちゃったの?
こちらまだ心の準備も何もできてないんだけども?
絶望の淵に立たされた私にリュカお兄様は眩しい笑顔をぶつける。うん、だからそれが怖いんだってば。
「ミラ……あなた前世の記憶があるのね…」
「お、お母様…はい。私ミラは…生まれ変わったというのが正しいかもしれません…」
お母様は驚いた顔をしてこちらに駆け寄ってくる。
「あぁミラ!あなたまさかお祖父様と同じだなんて!!」
……は?
「いやぁ僕も最初聞いた時にコレは…と思ったんですよね」
ん?リュカお兄様?
「なんてことだ、転生なんて1000年に1度くらいかとおもっていたがまさかこんなに短い時間で」
は?お父様?
「ちょいちょい、みんなミラに説明してあげなよ」
うんうん、アシルお兄様そうそう、説明して私に。
お母様が私を抱き上げる。
「ミラ、お母様のお祖父様もね、あなたと同じ前世の記憶があるのよ。そしてお祖父様もあなたと同じで1つのことしか鮮明に思い出せなかったの。でもお祖父様は薬が好きで薬の開発に専念して、そして薬屋として商人になったのが始まり。そしてこの世界にはない方法で財を成していったのよ」
なんと。まさか身内に前世の記憶持ちがいたとは。
「お祖父様も前世の記憶があってもお祖父様だったわ。それは幼馴染のお祖母様が言うんだから間違い無いの。だからね、ミラ。あなたも何があっても私たちの可愛いミラよ」
そう言ってお母様は微笑む。
そうか、リュカお兄様は知っていたからこの場を設けてくれたのか。優しい家族でよかった。本当に良かったと思ったらまた涙が止まらなくなって私は8歳らしくワンワン泣いた。
泣いて落ち着いた後、お母様に聞かれる。
「それでミラは何を覚えているのかしら?」
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