表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

33/39

ミラの浮気騒動〜中編〜


王都の噴水の側に待っているミラを見つける。

はぁ、可愛い。抱きしめたい。とミラに見惚れていると、そこへやってきたのは御令嬢ではなくスラッとした、髪の毛を後ろに束ねた綺麗な男だった。


「…ミラ……嘘だろ……」


俺は立ち尽くした。まさかミラが浮気してたなんて。ミラは嬉しそうにその男へと駆け寄る。そしてあろう事か腕を組み街の中へと消えて行った。


絶望の淵に立たされた。今まで生きてきてこんな気持ちになったことなんて無い。怒りよりも悲しみや絶望感が大きい。きっとそれはミラが嬉しそうだったからだろう。あれが少しでも嫌な顔をしていたのだったらすぐに割って入って行ったと思う。でもさっきはミラが本当に嬉しそうにしてたから……


そのまま帰ろうかと思った。だが家に帰ってもきっと何も手につかない。だからこのまま尾行することにした。



ミラと男はまずカフェに入って行った。中に入ると流石にマズイので外から様子を窺う。互いにケーキとお茶を頼み楽しんでいるようだ。時々手を握り合ったりしている。その度に俺の心臓は抉られるようだった。



次に雑貨屋へと向かって行った。ミラはネイルのアクセントにと、よく小さな可愛いものを探している。貴族達には宝石を、さすがに平民向けだと高くなってしまうので平民でも手の出せる様な雑貨を探すのだった。



(何か俺に不満なことでもあったんだろうか?)


確かにミラとの婚約から結婚を強引に進めてきた感は否めない。でも、いつだってミラを1番に思って行動してた。……つもりだけだったのかもしれないが。

こんな俺に嫌気がさしたのだろうか?でも2人の様子を見るとつい最近会ったと言うよりも気の知れた仲の良い様子にも見えた。



(俺のいない間に?…いやでもリュカ義兄がそんなことするはず無いしな)



考えても考えてもなんの答えもでない。

そうこうしてるうちに2人が雑貨屋から出てきた。


その次に向かったのは…

まさかの侯爵家御用達の宝石店だった。


(浮気相手と侯爵家御用達の店に行くか?)


ますます疑問が深まるばかり。もちろんここでも店の中には入れないので外で待っている。


実はまだミラとの指輪は出来ていない。オーダーメイドで頼んだから時間がかかっているだけだが。指輪で牽制できるのなら、指輪をもっと早く作っておけば良かった、と心底後悔した。狭量なんだよ、俺は。



(もし…2人が指輪なんかして出てきたら……)



もう俺は立ち直れないと思う。あの指に1番最初に指輪をはめるのは俺でありたかったから。

暫く2人は出てこなかった。その間ぼんやりと考える。ミラとデートしたのはいつだったっけ?


前回の休みだから、4日前くらいか。あぁあの時はミラが美味しいケーキがあるからって言って人気のお店に並んで…並んでる間も楽しかったな。美味しく頬張るミラは今思い出しても可愛い。その後は……あぁ、ネイルに使える雑貨が欲しいと雑貨屋に行ったな。どれもこれも可愛くて迷っているミラも可愛い。可愛すぎて後ろから抱きしめてしまったら真っ赤な顔して怒ってたな。うん、それも可愛い。そしてその後は………そうだ、指輪を見に行ったんだ。2人でデザインを決めて、入れる文字や宝石も意味のあるものにして。あの時の嬉しそうなミラが本当に可愛い。可愛いすぎてその夜は抱き潰した。うん、可愛い。


そこで俺は気がつく。


(あれ…今日ミラ達が行っているのってこの前と同じ場所か…?)



そう思うと途端に思い出がドス黒くなる。まさか浮気相手との下見だったのか…?ズーーーンと気持ちが重くなった。と、その時ミラ達がお店から出てきて



「え!?アクセル様?!」



と、立ち尽くしていた俺は逃げ場を失いミラ達に遭遇してしまったのだ。

長くなりそうなのでわけました。本当に誤字脱字報告ありがとうございます。評価も励みになっております!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ