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あの時のアクセル

奇妙な手紙からの閑話〜アクセル〜という感じでお読みください


「で?アクセルは何をするつもりなの?」


ミラに届いた手紙を片手にじっと考え込む俺にアシルはそう聞いてきた。

あの後ミラと別れ仕事に出た俺ら。そして今は休憩時間中。

「ん?そろそろミラに()()してもらいたいなぁって思って」

「自覚?手紙と何の関係が?」

休憩室のソファに寝転んでいるアシルは怪訝な顔でこちらを見てくる。


「ミラはさ、俺のこと好きなんだよ。だけど自覚したくないんだか、無意識に自信の無さがでるのか。俺の愛は精一杯受け取ろうとする姿勢は見えてきたけど、まだミラからは返ってこないんだよなぁ」

「だからそれと手紙が何の関係が?」


「だからこの手紙の送り主を使ってミラに自覚してもらおうと思って。俺のこと好きってことに」

「は?アクセル誰からの手紙かもうわかってんの?」

「あぁもちろん。それに協力者も」

「はぁ?マジかよ…さすがだな」

「協力者の方はすぐ吐いたからね。よっぽど俺に嫌われたくないらしい」

「……てことは」

「そう、(ライアン)だよ」

「え、ちょいまち。いつ連絡取ったんだ?だって俺んちから仕事きたよね?」

「出かける前1時間くらい俺、いなかっただろ?」

「あーーーーそゆことね。お前魔力の無駄遣いすぎるだろ…」

「俺には愛しのミラの魔石ネイルがあるから無敵なのさ」

と爪にキスをする。はいはい、とアシルは呆れ顔。




ドルー家の夜会に招待したのはドルー家の三男のエヴァン。彼は昔から女装が好きで、というか心も女性よりで、ライアンとは同じ歳で家も交流があったから昔から可愛がっていた。それをいつしかアイツは好意と受け止めて、夜会などでは俺の周りに来る女達を排除していた。中性的な顔立ちのエヴァンは虫除けに本当に役立った。その度に熱い視線を感じたが基本は男だから何も感じない。そのうち俺の生活はミラと出会うことにより一変する。全てがミラ中心になった。ただ俺が気持ちを自覚した後は討伐に行ったから、エヴァンの耳にも何も入っていなかった。だからこの間のライアンから話が漏れたのだろう。どうせアイツの事だから、俺とミラを別々に呼び出しミラに俺と居るところを見せつけ諦めろと言う魂胆だったんだろう。(因みにライアンに聞き出したところ全て当たっていた)


なので俺の作戦はこうだ。ミラに()()()俺とエヴァンが居るところを見せ嫉妬させる。エヴァンとなら絶対何も起きないし、その後俺のミラを陥れようとした事を締め上げなきゃだからな。他の令嬢では無理だ。そもそも俺が近づきたくもない。



こうして俺はまんまとミラを作戦に引き込むことに成功した。



俺とエヴァンが抱き合ってるのを見て勘違いして泣き声を聞いた時には身体が震えた。あのミラが俺のことを好きで泣いてくれてるとか最高の幸せだろ!その後抱きしめようとしたら拒否だろ?もう完全に俺に堕ちたと思ったらミラにキスしてた。そこだけは誤算だ…折角初めてのキスはもっとロマンチックに、一生の思い出に残るようにしたかったのに。

ちなみにエヴァンとは抱き合ってると見せかけて『俺にはキスについて聞け』と指示してた。その後何を勘違いしたのかキス待ちの顔で近づいてきやがったから思わず怒鳴ったわ。



その後、()()()()をかけてキッチリ2人を締め上げて、ミラに改めてプロポーズをした。早く2人きりになりたくて転移魔法使っちゃったわ。一応ミラには魔力めっちゃ使うんだよねーみたいに言ったけど全然信じてくれない。まぁ、その読み通り全然魔力使わないんだけどね()()

プロポーズしたミラは泣き顔からの笑顔とかあれダメだよ反則技。むり、何回恋に落ちればいいの俺。可愛すぎて我慢できなかったわ。ごめんね、ミラ(てへ)



まさか人生でこんなにも愛おしい人ができるなんて思っても見なかった。ありがとうミラ。一生愛してるよ。



多分来世もね。



誤字脱字報告ありがとうございます!


途中で入れようと思ったのですが、テンポ良くラストまで進みたかったので後日談にしてみました。

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