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初めてのデート

次の日約束通り街へと出掛けた。


人生初めてのデートだとポロっと漏らしたら、私を慕ってくれている(なんなら信者と言っても過言でない)侍女たちにエステやらなんやらされてしまい、ドレスもいつの間にか買ってあったとても上質なものを着させられた。

よ、汚したらどうしよう…


「お、お待たせしました」

「うん、全然待って……」

玄関で待っていてくれたアクセル様に声を掛け、振り返ると固まる彼。え、地味子が着飾ったところでってこと?

「はぁ〜〜やっぱデートやめる?こんな可愛いミラはどこにも見せたくない」

と抱きしめられる。え、可愛い?ほんと?

「ミラ?」

「可愛いですか?侍女達が凄く手をかけてくれたんです♪初めてのデートなので」

と煽ってみると案の定「そうだった。初めてのデートだったんだ。うかうかして初めて取られたらたまったもんじゃない」と乗り気になってくれた。

うん、最近アクセル様の扱いが上手くなってきたのかもしれない。笑


今日は馬車にてお出かけをする。そういえば街に行くのも久しぶりだなぁ。どこに連れていってくれるんだろう?と思っていたら、意外にも女性が多そうなカフェに連れて行ってくれたり、私が爪の装飾品が(クズ石でもいいので)見たいと言ったら宝石屋さんにも連れていってくれた。その度に見惚れる女性(あと私への殺気)が多いのに、嫌がらず連れて行ってくれたのには驚きだった。


「アクセル様、疲れませんか?」

「ん?まぁ女性は嫌いだけど、それよりもミラの喜ぶ顔の方が見たいから」

とニッコリ眼福スマイル。あ、多分近くの人何人か倒れてそう。


そんな感じで普通に初デートは楽しめた。

そして久しぶりの伯爵家。


「ただいまー!」

と帰ると「あら、お早いお帰りで」「なんだもう帰ってきたの?」なとどいう両親。どうなってるんだうちの親は。


「大切なお嬢様との時間を過ごさせていただきありがとうございました」

「あらあらまだ全然居てくれてよかったのに〜ねぇあなた?」

「うんうん、全然うちは平気ですよ」

なんて3人で和やかに話してやがる。



そしてそのあとアクセル様は別れを惜しみながら侯爵家へ……




とはならず。

なぜか私の仕事場の見学をしたり、サロンでみんなで仲良くお茶をしたり、と思ったらアシルお兄様が帰ってきて和やかにディナーまで取り始めて。気がついたら普通に部屋まで用意されていた。なぜ。


サロンでアシルお兄様と歓談中のアクセル様に尋ねる。

「あ、あの、お帰りにならなくて平気なんですか?」

「あぁ、御者は先に帰ってもらってるし、明日はアシルと夜警だから一緒に行こうかと」

「相変わらずだなぁおまえ…」

とジト目でアシルお兄様はアクセル様を見る。


随分伯爵家にすんなり帰ってきたと思ったら、今度はアクセル様が泊まるんかい!しかも両親そのつもりだったよね!部屋まで準備してあったし!!


「じゃあ、ミラ。今日もいつもの。ほら」

と膝をポンポンとされる。

「えっだって今日は一緒に出かけたし…」

「初めてのデートの感想、聞きたいな?」


すんごい圧ですんごい笑顔でみてくる。逃げられないやつだわこれ。


私は隣にアシルお兄様がいるけど恥を殺してアクセル様の膝の上に乗る。そして今日の振り返り。



「うっわぁ〜……妹ながら同情するわ…」


とアシルお兄様に言われたのは言うまでもない。



結局アクセルの掌の上で

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