閑話〜アクセル〜
美味しくご飯を食べるミラはなんて可愛いのだろう。
因みに父も母も同じらしい。ニコニコと義娘になるミラを見ている。うん、見せたくない。ホントは僕1人のミラでいて欲しいが、狭量な男と思われてもな、嫌だし。
湯浴みを終え、自室にて休む。ミラが同じ侯爵家に居ると思うだけでなんて幸せなんだろうか。あぁはやく結婚したい。すっ飛ばしていいだろもう。馴染んでるだろウチに。
そんな幸せに浸っていると外は雨になってきた。この時期の雨は雷を伴う。リュカ義兄が言っていたのだが、ミラは昔目の前に雷が落ちてそれから雷がダメらしい。伯爵家では父と母の間、または侍女に囲まれて寝ているとか。なんだよそれ、可愛すぎるだろ!16歳になっても川の字だぞ?なんて想像してたら雷が鳴り始めた。
マズイ。
僕は足早にミラの部屋へと向かう。
中に入ると布団に包まり大粒の涙を流すミラ。クソっもっと早く行ってあげればよかった。
と思ったが、
なんと!あのミラから抱きついてきたのだ!一瞬理性が飛ぶかと思ったけど、ガタガタ震えているミラをみて僕は落ち着きを取り戻した。危ない。
ミラは抱きしめるとやわらかくて。
自称ぽっちゃりのミラ。確かに細くはないが僕はこれくらいの方が抱き心地が良くて好きだな。実際めちゃくちゃ抱き心地は良かったし。
雷が鳴る度にミラが震えて抱きついてくる。本能と理性の間で揺れる僕。でもガタガタ震えるミラには流石に手は出せない。そこまで猿じゃねーわ。
暫くして外が落ち着いてくるとミラは寝息を立ててしまった。
嬉しいような、悲しいような。
まぁ安心してもらえたってことか?
本当は隣で一緒に寝たかったが流石に…と思いミラをベッドの上に乗せて退出しようとしたが、なんと服をホールドされていた。
なんだろうこの可愛い生き物は。
無理にその手を解くことができず、僕は結局朝までミラの隣に居てしまった。
因みに僕は寝れない。こんな可愛い寝顔見れるのに寝るなんて勿体ない。夜警で夜起きてることは慣れてるから全然苦じゃなかった。むしろ今日が夜警にカウントされるならご褒美以外の何ものでも無い。
そして僕は朝まで欲望と理性の狭間で戦いながらミラの寝顔を眺めているのであった。
胸に何度手が伸びかけたことか