腹が減っては戦はできぬ
今日は朝から何も食べていなかったから、余計にお腹が空いてしまっていた。くそぅ朝ちゃんと食べておけばよかったとこの時ほど後悔したことはない。
アクセル様の上で真っ赤になっていると、クラリス様がテキパキと指示をしてくれて、なんと侯爵家のランチをいただけることになった!
うちは決して貧乏伯爵家ではないけれども、やはり侯爵家ともなるとランチから豪華だった。
美味しい!幸せ!食べることが大好きな私は夢中でいただいてしまった。
ハッと周りを見渡すと、ダニエル様もクラリス様もアクセル様もとってもとってもニコニコとされていた。
や、やっちまったー(ガーン)
「ミラは本当に美味しそうに食べるね。食べてるその姿も可愛いよ」
うっフェロモン攻撃やめてぇぇ!
でも、こんなに美味しい料理毎日食べてたら、私また更にぽっちゃりになっちゃうよね…?サァァァァと血の気が引く。でも出されたものは残せない。美味しいし。
「ミラ?どうしたの?急に落ち込んで」
「……毎日こんなに美味しい料理をいただいたら、私どんどん太ってしまうなと思って…でも美味しいから残せないです…」
となんともまぁくだらない話をするとアクセル様はめちゃくちゃ驚いた顔をした後にめちゃくちゃ破顔された。
「…ミラ嬉しいよ!もう毎日侯爵家にいることを考えてくれたんだね」
とキラキラを振りまいて私を抱きしめる。
「………あっ!!!!!!!」
言葉の意味を理解して、私は今度は真っ赤な茹蛸のようになってしまった。
落ち着いた後、私はしっかりデザートまで平らげクラリス様のネイルに取り掛かる。
「こんな事になるなら私のネイル道具を持って来ればよかったわ」
「あるよ、ここに」
「えっ?!」
「リュカお義兄様が持たしてくれだんだ」
ジト目でアクセル様を見る。お義兄様とな。
ほんとぬかりない、さすがリュカお兄様だわ。
私の仕事道具があるおかげで俄然やる気がでる!お腹もいっぱいだし、クラリス様に最高に気に入ってもらえる作品を作るぞー!
お残しは許しまへんで