表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/77

第2話:ゴブリン運用してみた

 ゴブリンのステータスは確かに分かった。

 なんていうか、目の前にインターフェイスが浮かぶというか。

 近未来の空間映像……近未来かどうかは分からないけど。

 何年も前からできそうでできないというか、テーブルにキーボードを映すとか壁に映して空中で操作とかはあるけど。

 いわゆる、あれの完成版だな。


 そして、ステータスがいじれるという意味も。

 レベルがバラバラだが、レベルの高さに応じてボーナスポイントがあるらしい。

 ただ、これはこいつらじゃ自分で振り分けられない仕様と。

 なるほど、個体名をソートする機能もあると。

 ウェイトという項目があるので、押してみる。

 周囲が一気に静かになった。

 あー……作業に集中するモードか。

 このインターフェースの操作以外はできない感じと。

 レベルが高いものでも8か……ポイントはぼちぼち。

 なんとなくざっくりと理解したので、ウェイトモードを解除する。


 それにしても、くせーな。


「臭い」

「申し訳ありません」


 俺の言葉に、近くにいたゴブリンが小さくなって頭を下げる。

 とりあえず、俺にもボーナスポイントがいっぱいあったか振り分ける。

 生活魔法の中に洗浄魔法と、消臭魔法、除菌魔法を見つけた。

 即行で取ったわ。

 そして乱発しまくったわ。

 住環境も気に入らない。

 土属性魔法に植物関連やら土操作やらあったから、それも取った。

 とりあえず、このあばら家とすら呼べないぼろい建物が嫌すぎる。

 隙間から虫が出入りしてるのも、普通に床に虫がいるのも。

 

 外に出て、土魔法で壁と床と天井を作った。

 窓のところは、とりあえずガラスが無いからそのまま。

 ドアもないから、出入り口もどうにもできない。

 虫の侵入を防ぐ手段が……

 生活魔法にあった、防虫魔法で家を覆う。

 まあ、多少はマシになった。

 新築の家だけど、さしてワクワクすることもなく室内に。

 暗い……


 光属性魔法のライトの魔法をとる。

 ポイントを確認。

 まだまだ、余裕でいけるな。


 俺の行動をゴブリンどもが汚い面で、ビクビクしながら見てきたのがちょっとイラっとした。

 

「ガアアアア!」


 だから両手をあげて、意味もなく威嚇した。

 すごい勢いで逃げてって、ウケる。

 つまづいたり、転んではいずって逃げたりコミカルだ。

 ちょっと溜飲が下がった。

 うん……ストレスだな。

 ただの、八つ当たり。

 イライラが初日から、こんなにたまるとは。

 帰れたら、専務の頭一回くらい叩いても怒られないよね?

 いや、基本は優しいおじいちゃんなんだけど。

 この仕打ちは許せん。


***

「うーん、よく寝たのに……夢から覚めない」


 目を開けると無機質な天井。

 げんなりしつつ、背伸びをして起き上がる。

 

「うへあっ!」


 外に出ようとしたら、入り口から緑色の気持ち悪い猿共が覗き込んでた。

 思わず変な声が出た。


「ガアアアアア!」


 とりあえず恥ずかしかったので両手をあげて、ゴブリン共を威嚇して散らす。

 ちょっと楽しくなってきた。


 うん、ゴブリンの集落に出向中だった。 

 とりあえず、こいつらは俺に対してメチャクチャビビってることだけは分かる。

 調子に乗りたくなる程度には。


 見た目があれすぎるので、今日こそはどうにかしようと考える。

 全員に土魔法で仮面でも作って被らせるか?

 昨日に引き続き、全員に洗浄魔法を掛ける。

 一日で結構臭うんだなこいつら。

 俺もか?

 自分の臭いをかいでみて、臭わなかったのでほっと胸をなでおろす。

 

「とりあえず、道を綺麗にしろ! 糞尿は決められた場所でしろ! あと、毎日水浴びしろ! 家は綺麗にしろ!」

「はいいい!」


 ゴブリンどもを全員集めて、それだけ命令する。

 いや、命令するというか、指示を仰いできたから適当に。

 俺の言葉になんでも従ってくれるのは、良いことだと思いたい。

 面倒だが。


 目の前のゴブリンを追い払ったので、落ち着いて自分の仕事を。

 名前順にステータスを確認して、ポイントを割り振り。


 うーん……人が来るまでにある程度、強くした方が良いのだろうが。

 と思いつつ、ボーナスポイントを器量と知性と力を6対3対1で割り振る。

 見た目がよくなったら、多少はマシになるだろう。

 

「とりあえず、外に出て狩りをしてレベル上げてこいや!」

「ひいいい!」


 ポイント割り振りが終わった後で、レベル上げのために全員追い出す。

 ポイントが無いと、俺のできることもない。


 子供ゴブリンも容赦なく追い出す……

 大丈夫かな?

 これで、数減ったら怒られたりするのかな?


 杞憂だった。

 大人ゴブリンが手伝ったりして、全員無事に帰ってきた。


「すごい! ホーンボアを狩れました」

「ロードの加護を得て、力が強くなった気がします」

「それに、なんというか頭がすっきりとしているというか。猪の動きを見て先回りする方法や、うまく連携を取る方法が思いつくと言いますか」

「とにかく、こんなに大量に獲物が取れたのは初めてです」


 そうか、それは良かったな。

 レベルが結構おいしことになってた。

 というか、ステータスをいじって強くなったってことか。

 レベルが上がったからか基礎ステータスも上がってるから、別にポイントの割り振りは適当でもいいかなあ。


***

「ロード、これを食べてください」

「あっ、おれ生肉食べないから」


 ゴブリン共が、色々と献上品を持ってきてくれるが。

 正直、得体のしれない肉を差し出されても。

 この辺りは、要相談だな。

 木の実とかもおそるおそる食べてるけど、肉はなー。

 火魔法を取ったから、焼くことはできるけど。

 うーん、寄生虫問題とか……ジビエといえば聞こえがいいけど、野生の動物と言えばその問題が大きい。

 漫画や物語のように、簡単にはいかない。

 焼けばいいだけだけど。


「ジャッキーさーん!」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ