表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
48/101

47話 本戦出場者

 トアタラのパフォーマンスが終わった。

 リリサと同じ失敗をくり返したわけだ。

 そうとも知らない彼女は、観衆にあどけない笑顔を送っている。


 でもよくがんばったな、トアタラ。

 可愛かったぞ、トアタラ。

 途中で声が裏返ったり、歌詞を間違えていたりしたけど、そんな一生懸命な姿がいじらしくて堪らなかったんだ、トアタラ。


 だけどさ、トアタラ。これは武闘大会なんだ。

 強さをアピールする場なんだよ。


 退場口に歩いてくる。


 審査結果の得点がでた。

 見なくともわかっているが……。




 No  名 & Lv.                  得点

 :   :                    :

 :   :                    :

 86 佐藤 Lv.05                 58

 87 リリサ Lv.29                10

 88 トアタラ Lv.07               00

 89 アンナイニン Lv.01             棄権




 トアタラは残念そうに息を吐いた。

 そんな顔すんな。おれからは個人的に最高得点をプレゼントしよう。

 あれ? 案内人が棄権している。



 彼女たちとは退場口の奥で別れた。

 係員に予選通過者用の控室へと案内されていく。


 とりあえず予選を突破し、本戦に進むことができたわけだ。

 トサカ鬼の角を入手するためには優勝しなくてはならない。

 たとえどんな強敵が立ちはだかろうとも。


 予選通過者用の控室の前に立った。係員が戸を開ける。

 入室した途端、競技者の熱気や殺気で押しつぶされそうになった。

 怪しい風貌の男やガッチリした体型の男たちが(たむろ)している。


 奥には本選出場者リストが掲げられていた。




 本選出場者 8名

 ==========================

 No  名 & Lv.                  得点

 03 エルリウス・ユハルヒン・サーフ・ムア Lv.37 67

 19 サバール・ハイガー Lv.29          62

 31 ガイガーシュトッフ Lv.27          55

 43 イスタトリエコ Lv.81            71

 56 ビットーリョ・コルフィーノ Lv.41      64

 77 ミュッフェ Lv.77              85

 85 ボボブマ Lv.18               99

 86 佐藤 Lv.05                 58




 もちろんおれの名前もきちんと乗っている。

 リストを眺めていたところに……。


「やあ、キミは以前にも会ったね」


 どうやらおれに話しかけているようだ。

 この青年は誰だ? 確かに見覚えがあるような……。

 そうだ、ジャライラからの馬車に同乗していた人だ。


「そうでしたね。クラゲみたいな魔物を一緒に退治しました」


 おれは何もやっちゃーいなかったが。


 それにしても奇遇だ。まさか武闘大会で再会するなんて思わなかった。

 この控室にいるっていうことは、予選を突破した実力者というわけだな。


「この前は2つのガラスを顔につけていたから、すぐにキミだとは気づかなかったよ」

「そ、そうっすか。イメチェンしてみたんです」


 メガネならば峠の番人に壊されたのだ。しかし視力を回復してもらったので、もうメガネは不要となった。おかげで安心して『武勇の舞』などの激しい動きができる。


「まだ名乗っていなかったね。ボクはエルリウスだ。よろしく」


 きらりと白い歯が光った。爽やかな笑顔がまぶしい。

 さすがは劣化版フェルザヴァインだ。


 ちらりと横目で、本選出場者リストを確認する。

 エルリウス……。すぐに見つかった。03番の競技者だ。こいつ、フルネームで登録したのかよ。派手な名前だこと。でもLv.37とはやるじゃないか。パフォーマンスの得点も67だ。なかなか手強そうだ。


「佐藤です。よろしくっす」

「互いにがんばろう」

「はい、がんばりましょう」


 とかなんとかいってるが、どうせ彼は初戦の相手として、レベルの異様に低いおれを熱望してるんだろうな。スタミナ温存のためにも。


 じゃあ、おれが対戦を願うべきはどの選手だろうか?

 パフォーマンス得点が最も低いのは、31番のガイガーシュトッフって人だ。レベルもリリサより低い。うん、1回戦は彼と闘いたい。逆にガイガーシュトッフ以外はイヤだ。

 

 エルリウスは握手ののち、立ちさっていった。


 いよいよ本戦トーナメントの組合せが発表となった。

 係員がトーナメント表を張りだしている。心臓がドキドキしてきた。


 ガイガーシュトッフと当たりますように。

 ガイガーシュトッフと当たりますように。

 ガイガーシュトッフと当たりますように。


 おそるおそる確認してみる。




 |03 エルリウス・ユハルヒン・サーフ・ムア Lv.37

||43 イスタトリエコ Lv.81

||85 ボボブマ Lv.18

 |86 佐藤 Lv.05



 |56 ビットーリョ・コルフィーノ Lv.41

||31 ガイガーシュトッフ Lv.27

||77 ミュッフェ Lv.77

 |19 サバール・ハイガー Lv.29




 ああ、おれのガイガーが……。

 56番ビットーリョよ、お前はなんて幸運なんだ。


 んで、イケメン青年のエルリウスは、レベル81という化け物が相手か。ご愁傷様だな。善戦を期待してるよ。


 さて、おれは?


 85番のボボブマだ。あいつって……。

 そう。予選のパフォーマンスで強烈な雷を落として、99なんていうとんでもない高得点を叩きだした奴ではないか。


 背筋に寒気が走った。

 おれ死ぬぞ。


 次回投稿は12/29(金)の予定です。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ