文化祭といえば準備
「じゃタケゾウ。
ハルと一緒に近隣のスーパーの調査して来てくれる?
一応、もう見て来てはいるけど
それの最終確認ってことで。」
「え!
俺が?
いいのか俺で?
…わかったよ。
行きます。
行きますから。
その手を納めて。」
サヤは笑顔で
その振りかざした手を納めた。
「わかればよろしい。」
「ありがとうサヤ。
助かるよ。」
「サ、サヤ!
タケゾウくんと二人で!?」
「そう。
二人きりで。
こんなことでもないと
男の人と二人で歩くことなんて
ないんでしょ?
慣れるのには好都合だよ。」
「で、でも…。」
「タケゾーなら大丈夫。
ほら、行ってきなよ。」
「「いってきまーす…。」」
タケゾウはめんどくさそうに
ハルは恥ずかしそうに
一緒に教室を後にした。
文化祭の準備が本格化して
一ヶ月ほどあった期間も
残り一週間となっていた。
サヤとキヨトは
クラス全体を見て
それのサポートを
タケゾウとハルがしていた。
もう時間もなく
リーダーの二人は教室を離れる
わけにはいかないので
タケゾウとハルが
二人で調査に行くことになった。
「…。」
「…。」
歩き始めて二人は特に会話をしなかった。
その気まずい雰囲気を打開するべく
ハルが声を発した。
「…タケゾウくんって
ほんとサヤと仲良しだよね!」
「ん?
そうか?
ま、姉弟だし
仲悪くはないと思うよ。」
「姉弟なのに仲良いなんて
結構稀な気がする。
…私も少しは仲良くなれたかな?」
「なれたんじゃねえか?
少なくても俺は
友達のつもりだよ。」
「え!
…ふふ。
やったぁ。」
ハルは恥ずかしそうに下を向き
優しく小さい声でつぶやき
はにかんだ。
「…はは。
そんなことくらいで大袈裟な。
あ、あそこのスーパーから
見てくか。
っても大体見てどうするかは
決まってるんだよな?」
「あ、うん。
一応、サヤとも来てるから
ある程度は。
けど特売とかあるなら
その方が仕入れ値安くなるだろうし
確認も含めて
見て回ろ!」
「まあ…そうだな。
安い方が
ありがたいだろうし
少しは役に立たないといけないしな。」
「じゃ、いってみよー!」
「はは。
はいはい。」
ハルは片手を勢いよく
上に挙げ
少し顔を赤くしながら
やる気十分と言わんばかりに
スーパーに入って行った。
タケゾウはそれ見て
優しく笑うと
その後に続いた。
「うーん…。
やっぱり調べた通りかもね。
どうだった?」
「うーん。
今の所、メモと変わらないな。
前日の仕入れは
このスーパーで決まりかな。」
タケゾウとハルは
数件のスーパーを回り
結論を出していた。
「じゃ調査は
これでいいな。」
「うん!
じゃ戻ろっか。」
タケゾウとハルは
スーパーから出ると学校を目指した。
「あれ?
あそこにいるのって
飾り付け班のみんな?
何してるんだろ?」
「ん?
ああ。
何して…」
タケゾウがハルの呼びかけで
途中の公園に目をやると
そこにはクラスの
飾り付け班の皆がいた。
そして一人の男が
その輪の中から飛び出し倒れた。
「な!」
「タケゾウくん!」
「ああ!」
タケゾウとハルは
その輪目指し走った。
「おい!
何してんだよ!」
「こいつが…ショウジロウが
全然手伝わないんだよ!」
「…ショウジロウ。」
「…。」
タケゾウはショウジロウに手を差し伸べたが
ショウジロウはその手を取らず
立ち上がった。
「おい!
何でみんなで頑張ろうとしてんのに
お前は何もしないんだよ!」
男はまだ気持ちが収まらず
立ち上がったショウジロウに
怒鳴りつけた。
この男は
日頃からキヨトとのグループに
いる男で
この飾り付け班には
キヨトのグループの者が多くいた。
なので飾り付け班を仕切るのも
このグループとなったわけだが
ショウジロウはすでにクラスでは
誰とも話すことのない存在となっていたため
もちろん居場所などなく
また、出来上がっていたグループに
入ることなど
今のショウジロウにも
昔のショウジロウにも
できるはずはなかった。
「…みんな?
そのみんなに初めから
僕は入っていなかったような…。」
「うるさい!
お前が入ってこようと
しなかったんじゃないか!」
「それは入りづらい雰囲気だったから。」
「そんな雰囲気作ってない!」
「はは。
そんなこと言われても
僕は最初にそう感じたんだ。」
「な!
言い訳ばっかしやがって!
それに今日は誘っただろ!」
「誘った?
強制の間違いだろ?
俺にはそう聞こえたぞ?」
「屁理屈ばっかり言いやがって!
強制だろうと何だろうと
こっちから声かけたことには
変わらないだろ!」
「それで無理矢理連れてきて
俺を殴ってれば世話ないな。
お前、馬鹿だろ?」
「それはみんなが
楽しく考えてるの馬鹿にしたからだろ!」
「楽しくしてたから
俺も笑っただけだよ。
笑っちゃいけないのか?
随分なこと言うなお前。」
「また!
お前何なんだよ!
さっきから僕だとか俺だとか
意味わかんねぇよ!
何気取りだお前!」
男はショウジロウをさらに
殴ろうとショウジロウに飛びかかった。
それをタケゾウが
止め、何とか抑えた。
「とりあえずお前ら戻れ。」
「で、でも…。
わかったよ。」
タケゾウに言われ
周りの者に説得され
男と飾り付け班の者は
学校に戻って行った。
「あ、ありがとうタケゾウくん。
じゃ僕はもう帰るね。」
「待て。」
「ショウジロウくん!
怪我の手当てしないと!」
「うるさい。
俺に触るなカス。」
ハルがショウジロウを引き止めよう
声をかけると
ショウジロウはハルに
罵声を浴びせた。
そしてショウジロウはゆっくりとその場を後にした。
「めんどくさいことになりそうだな。
ってハル。
泣いてんのか?」
「ひぐっ!
だって…あんな風に言わなくたって
いいと思うもん!」
タケゾウが隣のハルを見ると
目にたくさんの涙を貯めながら
ハルはタケゾウに言った。
「ハルはショウジロウを気遣っただけだろ。
あれはショウジロウが悪い。
だからハルが泣く必要はないよ。
ほら。
学校に戻るぞ。」
タケゾウはハルの頭をポンと叩くと
歩き始めた。
「…。」
ハルは小さく頷くと
タケゾウの後に続いた。
「…つうことがあったんだよな。」
「そうだったのか。
それであいつら
帰って来てから何か変だったんだな。
少し話をしてくるよ。」
「おお。
よろしく。」
「ハルぅぅううぅ!」
サヤは話を聞くと
すぐにハルを抱き寄せた。
「ハルは何も悪くないよ。
すごく良いことしたのにね。
泣かなくていいんだぉぉお!」
「サ、サヤ!
もう泣いてないもん!
は、離して!
大丈夫だから!」
ハルは照れながら
抱きつくサヤを
何とか引き剥がそうと
抵抗したが
その抵抗むなしく
サヤに頭を撫でられていた。
「何してんだよお前ら。
…にしても。
どうしたもんかな。
とりあえずサヤ、ハル。」
「「何??」」
「お前らはこの件には関わるな。」
「え、どうして!?」
「…。」
ハルが疑問をそのまま声に出した
のに対して
サヤは沈黙した。
そして少しの間の後に
タケゾウを見ながら小さく頷いた。
「わかった!
ハル。
これはタケゾー達に任せよう。
男の子のことだし
女子の私達じゃ
もしかしたらショウジロウくん
嫌な気持ちになるかもしれないし。」
「うぅう。
わかったよ。
確かにそれはそうかも
しれないもんね。」
「その通りだな。
プライドってもんが
邪魔して女だと
ショウジロウもうまく話せない
かもしれないからな。
あ、キヨトが戻って来たな。
サヤとハルは文化祭の準備
よろしく頼むぞ。」
「うん。」
「よろしくねタケゾー。」
サヤとハルはタケゾウの意見に
賛同し、文化祭の準備を始めた。
「さてと。
おかえりキヨト。」
「ああ。
少し厄介なことにはなってるよ。」
「まあそうだろうな。
少し廊下で話すか。」
「ああ。」
タケゾウとキヨトは教室から出て
廊下でとりあえず話し合いをすることにしたのであった。
遅くなり申し訳ありませんでした。
働き方改革して欲しいです。
切実に。
皆さんもお身体には気をつけて。
明日からまた少しずつ書いていきたいと
思いますのでよろしくお願いします。




